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カテゴリー:質問の多い問題・暗記しにくい問題

こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、採血ミスによる溶血で上昇する物質、何故カリウムが上昇するのか?という問いに答えていきます。

 

採血がうまくいかず溶血してしまうと、カリウムが上昇するというのは、看護師になると自然と覚えてしまっています。

 

しかし、何故上昇するのか?というと答えられないという方もいます。

 

忘れない知識とするために、根拠も必ず一緒に覚えるようにしましょう。

 

溶血とは?

 

溶血とは、簡単に説明すると、赤血球が崩壊し、溶けてしまうような状態です。

 

(溶血性貧血は、なんらかの理由で赤血球が過剰に破壊されてしまい、貧血に陥ってしまう病態です。)

 

採血時に起こる溶血の原因は、採血に用いる針が細すぎた場合や採血時に陰圧をかけすぎる場合などが多いです。

 

国試には、採血時に用いる注射針のG数は?という問題も出題されますので、必ず覚えておいてください。

 

答えは22G(20-22G)です。

 

では、なぜ溶血するとカリウムの値が上昇するのでしょうか?

 

溶血によりカリウムが上昇する原因

 

溶血とは、赤血球が崩壊することでしたね。

 

つまり、赤血球の中にある細胞内液が血漿中に漏れ出てきてしまうことになります。

 

細胞内液と血漿中の電解質の差を思い出してみてください。

 

血漿中には、K:4.0mEq/L程度とわずかな量しかありませんが、細胞内液中には、K:150mEq/Lもあります。

 

採血時に赤血球が崩壊し、血球内の細胞内液が血漿中に漏れ出てきてしまうと、カリウムの値が上昇してしまうということが分かるかと思います。

 

逆に、Naを考えてみると、血漿中にはNa:140mEq/Lありますが、細胞内液にはNa:10mEq/L程度しかありません。

 

採血時に溶血しても上昇することはありません。

 

この細胞内外の電解質濃度の差が国家試験で問われています。

 

溶血に関する過去問

 

第111回午後79問目

採血時に操作を誤ったため溶血し、採血管内の血漿が暗赤色になってしまった。この血漿の電解質濃度を測定したときに、本来の値よりも高くなるのはどれか。

 

1.塩化物イオン

2.重炭酸イオン

3.カリウムイオン

4.カルシウムイオン

5.ナトリウムイオン

 

答え: 3 カリウムイオン

 

塩化物イオン、重炭酸イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオンはそれぞれ細胞内液よりも血漿中に多く含まれているため、上昇することはありません。

 

まとめ

 

溶血とは、赤血球がなんらかの原因で崩壊し、赤血球中の細胞内物質が血漿に漏れ出てくることである。

 

溶血した血液の電解質濃度を測定した場合、細胞内液に多く含まれる電解質:カリウムの値が上昇して測定される。

 

細胞内液よりも血漿に多く含まれる電解質(ナトリウムなど)は上昇しない。

 

「溶血したらカリウムが高くなる」とだけ覚えるのではなく、なぜ・どうしても合わせて覚えることをぜひ心がけてください。

 

 

こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、【免疫学】Ⅰ型アレルギーとIgEについて 〜マスト細胞とは?〜です。

 

マスト細胞は肥満細胞とも呼ばれます。

 

即時型アレルギーであるⅠ型アレルギーの際によく耳にする名称ですが、実際のところ何なのかよく分からない物質かと思います。

 

貪食能を有する好中球やマクロファージ、樹状細胞などとの違いを知り、簡潔に覚えておきましょう。

 

マスト細胞(肥満細胞)とは

 

別名、肥満細胞と呼ばれますが、肥満とは関係無いようです。

 

見た目がふくよかなため、肥満な細胞ということで、肥満細胞と呼ばれているようです。

 

ヒスタミンなど多数の化学物質が含まれているため、大きな細胞となっています)

 

次に、何に分類されるかというと、白血球の一種になります。

 

発現の方法は不明な部分も多いようなので、とりあえず白血球の一種で、免疫応答に関わっている物質と覚えておいてください。

 

マスト細胞の役割とアレルギー反応の機序

 

マスト細胞は、全身に広く分布していますが、特に皮膚や皮下組織に多いです。

 

マスト細胞の表面には、IgE抗体が付着しており、細胞内にはヒスタミンなどの物質を蓄えています。

 

マスト細胞の表面にあるIgE抗体に、アレルゲンなどの抗原と反応するとヒスタミンなどの化学伝達物質を放出します。

 

この化学伝達物質により、血管透過性が亢進し、血流増加や炎症細胞遊走など炎症反応が引き起こされます。

 

この結果、身体症状として、アレルギー反応が出現します。

 

(花粉が鼻粘膜に付着すると花粉症の症状が出現する)

 

マスト細胞はアレルギーを引き起こす不要な物質なのか

 

マスト細胞はアレルギー反応を引き起こす不要な物質ととれそうですが、寄生虫感染防御や細菌感染防御にも重要な役割を担っています。

 

しかし、寄生虫感染が少なくなった現代では、どちらかというとアレルギーを引き起こす原因物質という認識でもあるようです。

 

類似した物質に、好塩基球というのも存在します。

 

厳密に言うと違う物質のようですが、一昔前は同じ物質と考えられていたくらい似た物質なので、試験レベルでは同じ物質と捉えていても問題無いかと思います。

 

好塩基球もマスト細胞と同様に、表面にIgE抗体を有し、抗原と反応することでヒスタミンを放出します。

 

マスト細胞(と好塩基球)のまとめ

 

マスト細胞は、細胞内にヒスタミンなどの化学伝達物質を蓄えたふくよかな細胞。

 

マスト細胞の表面には、IgE抗体が存在し、アレルゲンなどの物質がIgE抗体と反応すると、細胞内のヒスタミンが放出される。

 

放出されたヒスタミンが、細胞周囲の血管透過性を亢進させ、炎症反応が起こり、アレルギー症状が出現する。

 

問題形式としては、Ⅰ型アレルギーに関与するの物質は?

 

IgE、マスト細胞(肥満細胞)、好塩基球、などが正解の選択肢となります。

 

補足

 

好中球やマクロファージ、樹状細胞などはいづれも血液中の白血球の一種です。

 

これらはすべて貪食能(異物を食べて取り込む)を持ちます。

 

特に、マクロファージや樹状細胞はT細胞に抗原提示を行う細胞でもあるため、重要な物質になります。

 

マスト細胞も同じように免疫応答に働きますが、異物を貪食するのではなく、アレルゲン(抗原)に抗体が反応し、ヒスタミンを放出して免疫応答をする物質ということになります。

 

体内で起こる反応なので、イメージするのが難しいですが、それぞれの役割を簡単にでも覚えることが大切になります。

 

こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、【薬理学】向精神薬の種類と特徴 〜抗精神病薬と抗うつ薬の副作用が頻出〜です。

 

向精神薬には、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬、抗てんかん薬、抗認知症薬などがあります。

 

精神に効く(向かう)薬剤のことを、向精神薬と一般に呼ばれており、向精神薬には多くの種類があります。

 

向精神薬は、種類が多く、色々と覚えると混乱しますので、優先度の高いものだけをまずは覚え、知識を広げていくことをおすすめします。

 

今回は、抗精神病薬と抗うつ薬を取り上げて解説していきます。

 

抗精神病薬の種類と特徴と副作用

 

向精神薬の中で圧倒的に出題されるのが、抗精神病薬です。

 

抗精神病薬は主として、統合失調症の治療に用いられる薬で、ドパミンの活動を抑えることにより、幻覚や妄想を抑え、鎮静作用を発揮します。

 

抗精神病薬は定型抗精神病薬(旧型)と非定型抗精神病薬(新型)に大きく分けられる

 

非定型抗精神病薬(新型)の方が、副作用が少なく、陽性症状だけでなく陰性症状にも効くという利点から、治療の中心となっています。

 

定型抗精神病薬:クロルプロマジン、ハロペリドールなど

非定型抗精神病薬:リスペリドン、オランザピンなど

 

(あまり薬剤の名称は問われることはありません)

 

抗精神病薬の副作用

 

※副作用は必ず覚えておきましょう。

 

錐体外路症状(EPS)自律神経症状、高プロラクチン血症による乳汁分泌や性機能障害、眠気、悪性症候群、高血糖、体重増加などがあります。

 

錐体外路症状や高プロラクチン血症は定型抗精神病薬、高血糖や体重増加は非定型抗精神病薬で起こりやすい。

 

そのため、糖尿病患者の場合には非定型抗精神病薬を使用できないこともあります。

 

錐体外路症状

 

パーキンソン症候群、アカシジア、ジストニア、ジスキネジアなどの症状の総称です。

 

①パーキンソン症候群:安静時振戦、無動、筋強剛、姿勢保持障害など

 

②アカシジア:静座不能。じっとできず動き回る。

 

③ジストニア:異常な筋緊張により奇妙な姿勢となる

 

④ジスキネジア:咀嚼用運動、舌の突出、顔をしかめるなど

 

自律神経症状:抗コリン作用

 

口渇、排尿困難、便秘などの抗コリン作用が出現します。

 

特に口渇により、多飲となり、水中毒となりやすいのも特徴です。

 

(抗精神病薬の長期投与による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群も加わり)

 

水中毒により、低Na血症となり、頭痛、易疲労感、食欲不振などもみられます。

 

悪性症候群

 

抗精神病薬などの向精神薬の服用開始時や増減、中断によって発症します。

 

症状は、先述した錐体外路症状や自律神経症状に加え、高熱などが出現するのが特徴です。

 

 

抗うつ薬の種類と副作用

 

もうひとつ頻出なのが抗うつ薬になります。

 

抗うつ薬はその名の通り、うつ病の患者に投薬されます。

 

目的は、セロトニンやノルアドレナリン神経の機能を正常化することです。

 

抗うつ薬の種類と特徴

 

抗うつ薬には、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、SNRI、NaSSAなどの種類があります。

 

(三環系や四環系は、見た目の化学的構造からその名称となっています。)

 

薬剤の基本性能は、セロトニンやノルアドレナリンを体内へ再取り込みすることを阻害することで、神経の機能を改善しようとします。

 

三環系や四環系は、セロトニンやノルアドレナリン以外の神経物質にも作用し、効果が強いため、副作用も強いです。

 

一方、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、セロトニンだけの再取り込みを阻害するため、副作用が少なく、治療の第一選択薬となっています。

 

SNRIやNaSSAもそれぞれ特徴はあります。名前だけは覚えておいてください。

 

※SNRI:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬

※NaSSA:ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動薬

 

抗うつ薬の副作用:セロトニン症候群

 

SSRIの副作用として、セロトニン症候群があります。

 

脳内のセロトニン活性の過剰により、不安・焦燥、発熱、ミオクローヌスなどを生じます。

 

その他、消化器系の副作用(悪心・嘔吐・下痢)なども見られ、三環系抗うつ薬などは抗コリン作用による口渇、便秘、尿閉、起立性低血圧なども見られます。

 

まとめ

 

向精神薬の中で頻出なのは、抗精神病薬、次いで抗うつ薬。

 

抗精神病薬は定型と非定型に分けられ、現在は非定型が治療の中心である。

 

抗精神病薬の副作用は、錐体外路症状、自律神経症状、悪性症候群などである。

 

抗うつ薬は三環系と四環系、SSRI、SNRI、NaSSAなどがある。

 

セロトニン再取り込み阻害による、セロトニン症候群が副作用として頻出である。

こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、副交感神経作用薬:抗コリン薬の特徴と禁忌についてまとめていきます。

 

神経系のノルアドレナリンとアセチルコリンの記事でも一部触れていますので、合わせてご覧ください。

 

抗コリン薬が禁忌となる疾患は?

 

これがよく出題される問題です。

 

回答となる選択肢は、緑内障と前立腺肥大症になります。

 

逆の作用で、コリン作動薬が禁忌となる疾患は? となると・・

 

気管支喘息や消化性潰瘍が回答となります。

 

これを丸覚えすると忘れてしまうので、根拠を持って覚えるようにしてください。

 

抗コリン薬が禁忌となる根拠は、交感神経か副交感神経か

 

コリン作動薬と抗コリン薬はどちらも、副交感神経作用薬に分類されます。

 

アセチルコリンは副交感神経を優位にさせる働きがありますので・・

 

アセチルコリンを作動させる薬=コリン作動薬は副交感神経を優位にさせる

 

抗コリン薬はアセチルコリンを止める薬=抗コリン薬は副交換神経ではなく交感神経を優位にさせる

 

という特徴があります。

 

つまり、交感神経が優位になった場合、副交感神経が優位になった場合、身体にはどのような変化があるのかを理解しておくことが重要です。

 

交感神経が優位になった場合(抗コリン薬を投与した時)

 

交感神経は身体を活動的な状態にする神経です。

 

身体には以下のような反応が起こります。

 

瞳孔散大、排尿筋弛緩(蓄尿)、消化管運動抑制、血圧上昇、脈拍増加、気管支拡張

 

瞳孔散大すると眼圧が上昇し、緑内障の悪化の可能性があるため禁忌となります。

 

また、排尿筋が弛緩するなど蓄尿状態となるため、前立腺肥大症などの患者に投与すると尿閉に陥る可能性があります。

 

その他、消化管運動を抑制するため、イレウス患者にも投与できません。

 

副交感神経が優位になった場合(コリン作動薬を投与した時)

 

副交感神経は身体を休める状態にする神経です。

 

交感神経とは逆に、以下のような身体反応となります。

 

眼球縮小、排尿筋収縮、消化管運動促進、血圧低下、脈拍低下、気管支収縮

 

気管支収縮すると、気管支喘息を悪化させてしまうため、禁忌となります。

 

同じように、消化管運動促進させてしまうと消化性潰瘍を悪化させるため、禁忌となります。

 

自律神経作用薬の問題を考える時には、自律神経系の働きを理解して、正解となる選択肢を導き出すようにしてください。

 

まとめ

 

①コリン作動薬と抗コリン薬は副交感神経作用薬

 

②コリン作動薬は副交感神経を優位にし、抗コリン薬は交感神経を優位にする

 

③交感神経が優位になると、瞳孔散大、排尿筋弛緩、消化管運動抑制などが起こる

 

抗コリン薬は、緑内障・前立腺肥大症・イレウス患者には禁忌

 

④副交感神経が優位になると、気管支収縮、消化管運動亢進などが起こる

 

コリン作動薬は、気管支喘息・消化性潰瘍の患者には禁忌

 

丸覚えではなく、根拠も合わせて覚えるようにしましょう。

こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、神経伝達物質の種類と特徴 ~アセチルコリンとノルアドレナリン~です。

 

神経伝達物質は目に見えない上に、働きも様々で分かりにくい分野です。

 

神経伝達物質の種類は多いですが、国家試験に出題されるものは主要なものだけですので、全体を把握しつつ、主要なものの働きを覚えられるようにまとめました。

 

神経伝達物質の種類

 

国家試験で問われたことのある神経伝達物質は、以下の6種類です。

 

①アセチルコリン

②ノルアドレナリン(とアドレナリン)

③ドパミン

④セロトニン

⑤GABA

⑥グルタミン酸

 

頻出はアセチルコリンとノルアドレナリンなので、この2種は最後に解説します。

 

⑤GABAと⑥グルタミン酸:脳内でニューロンの働きに関与する

 

⑤GABAは最近テレビなどでも耳にする言葉かと思います。

 

働きは、中枢神経系(脳)で、ニューロンの興奮を抑制することです。

 

そのため、GABAをとることで、身体を落ち着かせることができるといわれています。

 

逆に、⑥グルタミン酸は、中枢神経系で、ニューロンを興奮させる作用があります。

 

④セロトニン:幸せホルモン

 

セロトニンは幸せホルモンと呼ばれているものです。

 

気分を落ち着かせる作用などがありますので、セロトニンが不足することでうつ症状になると言われています。

 

脳内でのセロトニンの再取り込みを阻害する薬が、抗うつ薬として使われています。(SSRI、SNRIなど)

 

③ドパミン:脳内報酬系の活性

 

ドパミンは、何かを達成したときに快く感じる要因となる神経伝達物質です。

 

中脳黒質から産生され、中枢神経系(脳内)作用します。

 

③〜⑥を問う問題は、あまり無いかと思いますが、予備知識として覚えておいてください。

 

①アセチルコリンと②ノルアドレナリンの違い

 

神経伝達物質の問題では、①アセチルコリンと②ノルアドレナリンが頻出です。

 

問題のポイントとなるのは以下の部分です

 

①アセチルコリンは副交感神経終末運動神経終末での神経伝達物質であり、

 

②ノルアドレナリンは交感神経終末での神経伝達物質であるということです。

 

上記の特徴を言い換えると、

 

①アセチルコリンは、副交感神経の興奮によって収縮する筋肉運動神経に支配される骨格筋を支配しているということです。

 

一方、②ノルアドレナリンは、交感神経の興奮によって収縮する筋肉を支配しています。

 

支配する筋肉についての問題が出題されるのは、この部分を理解できているかを問いています。以下のような問題です。

 

問. アセチルコリンで収縮するのはどれか。

 

  1. 1.心筋
  2. 2.排尿筋
  3. 3.腓腹筋
  4. 4.立毛筋
  5. 5.瞳孔散大筋

 

アセチルコリンで収縮するのは、副交感神経の興奮によって収縮する筋肉運動神経に支配される骨格筋を選ばなければなりません。

 

まず一つ目は、3.腓腹筋です。

 

これは骨格筋ということで選びます。なんとなく理解しやすいかと思います。

 

次に問題となるのは、副交感神経の興奮で収縮する筋肉は何かを理解しておくことが必要です。

 

交感神経と副交感神経の違い

 

交感神経と副交感神経を簡単に説明すると、両者の違いは以下のようになります。

 

交感神経が興奮することで起こる身体の反応は、瞳孔散大、気管支拡張、脈拍増加、排尿筋の弛緩(畜尿)、立毛筋の収縮などです。

 

副交感神経が興奮することで起こる身体の反応は、瞳孔縮小、気管支収縮、脈拍低下、排尿筋の収縮(排尿)など交感神経と反対の反応が起こります。

 

つまり、アセチルコリンで収縮する筋肉=副交感神経の興奮で起こる身体の反応(収縮する筋肉)排尿筋の収縮や瞳孔を収縮させる瞳孔括約筋になります。

 

選択肢の正解は、2.排尿筋となります。

 

(瞳孔散大させる瞳孔散大筋や立毛筋は、交感神経支配の筋肉となり、ノルアドレナリンの働きで収縮します。)

 

アセチルコリンとノルアドレナリンの働きをしっかりと理解して覚えることが大切です。

 

②ノルアドレナリンとアドレナリンの違い

 

最後に、ノルアドレナリンとアドレナリンの違いについてです。

 

どちらもカテコールアミンであり、作用など明確には区別して明記されていませんので、そこまで深く追い求める必要は無い部分かと思いますが、気になる方も多いので、簡単に説明します。

 

簡単に区分すると、アドレナリンはホルモン(兼神経伝達物質)、ノルアドレナリンはホルモン+神経伝達物質となり、アドレナリンの方が作用する範囲が狭いです。

 

基本的に、アドレナリンは副腎髄質ホルモンで血圧を上昇する作用などを持ちますが、血液脳関門を通過できないため、脳など中枢神経系では働きません

 

ノルアドレナリンは、副腎髄質からも産生されますが、交感神経節でも産生される神経伝達物質でもあるので、中枢神経系でも働きます。(そのため、精神症状にも関わってきます。)

 

まとめると、産生場所の違いにより、作用範囲が少し異なるが、作用に大きな差は無いと考えて良いかと思います。

 

結局は、ストレスなどを感じると、自律神経が刺激され、アドレナリンやノルアドレナリンが放出されるため、血圧上昇、不安、恐怖などの身体症状が起こります。

 

まとめ

 

神経伝達物質は、6種類程度あるが、ポイントはアセチルコリンとノルアドレナリン。

 

①アセチルコリンは副交感神経終末運動神経終末で活躍する神経伝達物質である。

 

②ノルアドレナリンは交感神経終末で活躍する神経伝達物質である。

 

アセチルコリンで収縮する筋肉、ノルアドレナリンで収縮する筋肉が分かるために・・

 

交感神経や副交感神経が興奮した時に起こる身体反応を覚えておくことが重要である。

 

アセチルコリンを止める薬が抗コリン薬・・と薬剤の話にもつながってきますので、難しいですが、しっかりと理解しましょう。

こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、小児の発達過程について、解説していきます。

 

小児の発達過程というと、モラトリアム、ギャングエイジ、心理的離乳、分離不安・・、といった用語が並べられます。

 

その中に、空の巣症候群や青い鳥症候群など、似ていそうな用語も並べてくるので、毛嫌いしてしまいつつある部分です。

 

小児看護の国試対策のポイントとしては、ごちゃごちゃとすべてを丸覚えしようとするのではなく、一つ一つを整理しながら、小児の成長段階も踏まえながら、ストーリーにしながら、覚えていくことになります。

 

分離不安:生後6ヶ月〜 人見知りの原因

 

数ある用語の中で、最初に出てくるキーワード:分離不安

 

分離不安とは、基本的に母親と離れ離れになることを不安に思う状態です。

 

母親などなじみのある人と、見知らぬ人との区別がつくようになり、なじみのある人と離れ離れになることを恐れるようになるため、人見知りや後追いが始まります。

 

生後6ヶ月頃から始まるというのも重要なポイントです。

 

ギャングエイジ:学童期 〜徒党時代〜

 

ギャングエイジとは、小学校3-4年生にみられる、反抗期のようなものです。

 

子供同士だけで徒党を組んで、親や先生にも反抗し、反抗的な言動がみられたりします。

 

学級崩壊に陥りやすい学年でもあり、ギャングエイジは親や先生にとっては厄介な時期ですが、正常な成長発達過程を辿っていると考え、見守ることが大事な時期でもあります。

 

心理的離乳:思春期におけるアンビバレントな感情

 

心理的離乳とは、思春期に親への依存状態から抜け出し、心理的に自立しようとすることを指します。

 

その一方で、これまでどおり親への依存を保っておきたいという気持ちもあります。

 

その両方の感情をもつことを両価性(アンビバレント)な感情を持つと表現されます。

 

親に干渉されたくないと思いつつも、経済面や様々な面では親の援助を受けたいという複雑な感情を持つという、これも正常な子どもの発達なので、見守ってあげることが大事です。

 

思春期と青年期の違い

 

思春期と青年期は時期的に重複しており、分かりづらい部分です。

 

基本的には、青年期の方が広い概念で、11歳〜20歳(大学卒業くらいまで)を指します。

 

その青年期の初期、11〜14歳(中学生くらい)を思春期と呼びます。

 

モラトリアム :青年期の「成人までの猶予期間」

 

モラトリアムは、エリクソンが提唱した発達心理学の用語なので、覚えているという方も多いかと思います。

 

子どもと大人の境界で、大人の領域に踏み込めず、うろうろとしている状態です。

 

高校生〜大学生〜社会人初期の人々がここに該当し、自己を探し求めています。

 

青い鳥症候群

 

青い鳥症候群とは、現実の自分を受け入れられず、自分にはもっと力があり、能力を発揮できる場所があるはずと、理想の職場を探し求めるような状態を指します。

 

自我を探し求めているモラトリアムとよく似ている概念です。

 

違いとしては、青い鳥症候群は自分の能力が発揮できない原因が職場などの環境にあるとし、転職などを繰り返してしまう、他力本願的な状態にあるということです。

 

自分に原因が無いと思いがちであるため、自分自身が成長できず、環境は好転しないまま、うつ病に移行してしまうこともあります。

 

空の巣症候群:子どもが巣立った後の母に見られる

 

こちらも同じような名称な症候群ですが、小児成長発達には分類されないものです。

 

空の巣症候群は、子どもが結婚などで巣立ってしまい、巣の中(家の中)が空っぽになってしまった状態になり、一種の喪失体験のようなものを感じている状態です。

 

子育てを生きがいとしていた主婦に多く見られます。

 

看護師国家試験過去問

 

以下のように、似た概念が並べて出題されます。

 

Q. 発達段階と心の健康問題の組合せで最も関連が強いのはどれか。
1. 幼児期 ― 摂食障害
2. 青年期 ― 分離不安
3. 成人期 ― アルコール依存症
4. 老年期 ― 青い鳥症候群

 

解答 3

 

分離不安は人見知りの原因、青い鳥症候群は、青年期の若者が自分の居場所を探し求めている時期です。

 

アルコール依存は、飲酒ができる成人期〜くらいに関連が強いです。

 

まとめ

 

ここで挙げたもの以外にも似た概念はありますが、重要なものを確実に覚えることが重要になります。

 

・分離不安:人見知りの原因=6ヶ月くらい

・ギャングエイジ:学童期の徒党時代=小3-4

・心理的離乳:思春期の中学生くらい

・モラトリアム:青年期

 

・青い鳥症候群:青年期〜「自分の居場所を求めて飛び回る」

・空の巣症候群:子どもが巣立った後の喪失感

 

用語と簡単な特徴を一括りにして、覚えていきましょう。