こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、排便のメカニズムについてです。

 

排便のメカニズムのポイントは不随意筋の内肛門括約筋と随意筋の外肛門括約筋です。

 

どのようにして便意を感じ、排便が起こるのかを理解することが大切です。

 

国家試験に出題される関連問題

 

第97回PM13
排便のメカニズムで正しいのはどれか。
  • 1. 横隔膜の挙上
  • 2. 直腸内圧の低下
  • 3. 内肛門括約筋の弛緩
  • 4. 外肛門括約筋の収縮

解答 3

 

第106回PM75排便時の努責で正しいのはどれか。2つ選べ
  • 1. 直腸平滑筋は弛緩する。
  • 2. 呼息位で呼吸が止まる。
  • 3. 外肛門括約筋は収縮する。
  • 4. 内肛門括約筋は弛緩する。
  • 5. 腹腔内圧は安静時より低下する。

解答 2,4

 

 

排便のメカニズム

 

①便が直腸に達すると、腸壁の進展と内圧の上昇が起こる。

 

②腸壁の進展が、骨盤内臓神経を経て、排便中枢や大脳皮質に伝わり、便意を感じる。

 

③-1:排便中枢に伝わった刺激は、反射的に骨盤内臓神経に戻り、内肛門括約筋を弛緩させる。

 

※内肛門括約筋は不随意筋となり、平滑筋で構成されています。まだ、トイレに行けず、準備ができていないのに、内肛門括約筋は反射的に弛緩してしまいます。

 

③-2:大脳皮質に伝わった刺激で便意を感じると、ヒトはトイレへと向かい、排便ができる状態になったら、意識的に陰部神経を介して、外肛門括約筋を弛緩させる。

 

※外肛門括約筋は随意筋となり、骨格筋で構成されています。トイレまで排便を我慢できるのは、随意筋の外肛門括約筋のおかげです。

 

④排便を促すため、呼息位で息を止め努責し、腹筋を収縮させることで腹腔内圧を上昇させ、排便が起こる。

 

排便のメカニズムの解法のポイントのまとめ

 

内肛門括約筋も外肛門括約筋もどちらも弛緩することで排便が起こるが、内肛門括約筋不随意筋で平滑筋外肛門括約筋は随意筋で骨格筋である

 

反射的に内肛門括約筋を弛緩させるのは骨盤内臓神経

 

意識的に外肛門括約筋を弛緩させるのは陰部神経

 

③腹筋は収縮し、腹腔内圧は上昇する

 

④努責は息を吐いた後である、呼息位で行われる

 

 

問題に対する正答を覚えるだけでなく、排便がどのような経過で起こっているのかを考え、仕組みを理解して覚えることが大切です。

 

こんにちは。講師のサキです。

 

今回は、国家試験頻出の消化酵素についてです。

 

覚えるべき消化酵素は、アミラーゼ、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、リパーゼになります。

 

国家試験に出題される問題

 

第99回PM27
栄養素と消化酵素の組合せで正しいのはどれか。
  • 1. 炭水化物 ― リパーゼ
  • 2. 蛋白質 ― トリプシン
  • 3. 脂 肪 ― マルターゼ
  • 4. ビタミン ― アミノペプチダーゼ

正答 2

 

第109回PM13
脂肪分解酵素はどれか。
  • 1. ペプシン
  • 2. リパーゼ
  • 3. マルターゼ
  • 4. ラクターゼ

正答 2

 

糖質(炭水化物)の分解酵素=アミラーゼ

 

糖質を分解する消化酵素はアミラーゼになります。

 

アミラーゼは唾液と膵液に含まれます。

 

蛋白質の分解酵素=ペプシン、トリプシン、キモトリプシン

 

蛋白質を分解する消化酵素はペプシン、トリプシン、キモトリプシンになります。

 

蛋白質を分解する=「プシン」とまずは覚えておきましょう。

 

分泌部位をみると、胃液に含まれるのがペプシンで、膵液に含まれるのがトリプシン、キモトリプシンになります。

 

脂質の分解酵素=リパーゼ(+胆汁)

 

脂質を分解する消化酵素はリパーゼとなります。

 

脂質は水と混ざりにくい性質をもつため、胆汁の力を借ります。

 

胆汁は脂肪を乳化し、消化を助ける役割を持ちます。

 

まとめ

 

①糖質を分解する消化酵素=唾液と膵液に含まれるアミラーゼ

 

②蛋白質を分解する消化酵素=胃液に含まれるペプシン、膵液に含まれるトリプシン、キモトリプシン

 

③脂質を分解する消化酵素=膵液に含まれるリパーゼと胆汁。

 

補足)腸液に含まれる消化酵素は、マルターゼ・ラクターゼなどあり、出題されることもありますが、優先度は低いため、ここでは省略しています。

 

出題頻度の高い問題から確実に押さえていきましょう。

 

消化吸収の仕組みについて、もう少し知りたい場合は以下の記事もご覧ください。

 

 

 

こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、消化管ホルモンの種類と作用機序 〜ガストリンとセクレチンです。

 

消化管ホルモンにはいくつか種類があったり、胃酸や粘液がどの細胞から分泌されるのか、ごちゃごちゃになりやすい分野です。

 

丸覚えするのではなく、実際に食べ物を食べる時に起こる作用順序を理解し、整理して覚えていきましょう。

 

国家試験に出題される関連問題

 

第110回 AM12
胃から分泌される消化管ホルモンはどれか。
1. ガストリン
2. セクレチン
3. 胃抑制ペプチド
4. コレシストキニン

 

 

第105回PM28
胃酸の分泌を抑制するのはどれか。
  • 1. アセチルコリン
  • 2. ガストリン
  • 3. セクレチン
  • 4. ヒスタミン

 

 

 

消化管ホルモン①ガストリンの発生=胃内への食物の流入

 

消化管ホルモンの分泌の始まりは、胃内への食物の流入です。

 

胃内に食物が入ることで起こる2つの反応:

 

G細胞からガストリンが分泌されます。ガストリンは壁細胞を刺激し、胃酸分泌が促進します

 

主細胞からペプシノーゲンが分泌されます。ペプシノーゲンは胃酸の作用によりペプシンとなり、蛋白質分解酵素となります。

 

【ポイント】

  1. 1. G細胞からはガストリン

2. 壁細胞からは胃酸

3. 主細胞からはペプシノーゲン

 

◉ペプシノーゲン+胃酸=ペプシン(蛋白分解酵素)

 

消化管ホルモン②セクレチンの発生=十二指腸への食物の流入

 

食物が十二指腸に到達すると、胃の運動を弱めることと、消化酵素の分泌を促すことが必要になります。

 

十二指腸に食物が入ることで起こる3つの反応

 

十二指腸S細胞からセクレチンが分泌されます。セクレチンはG細胞に作用し、ガストリン分泌を抑制し、胃酸分泌・胃の運動を抑制します。また、膵液分泌も促進します

 

十二指腸K細胞からGIP(インクレチン)が分泌されます。GIPは、壁細胞に作用し、胃酸分泌を抑制したり、グルコースに反応してインスリン分泌を促します。

 

十二指腸I細胞からコレシストキニンが分泌されます。コレシストキニンは、胆嚢収縮により、胆汁を十二指腸に流し込む作用や、膵酵素分泌促進作用があります。

 

【ポイント】

  1. 1. 十二指腸S細胞からはセクレチン
  2. 2. 十二指腸K細胞からはGIP(インクレチン)
  3. 3. 十二指腸I細胞からはコレシストキニン

 

食物の流れから見た消化管ホルモンの分泌機序

 

①胃に食物が入るとガストリンや胃酸の分泌が促進され、胃の運動を促進する。

 

②十二指腸まで食物が流れてくると、胃の運動を抑制することと、消化を促進する必要があるため、セクレチン・インクレチン・コレシストキニンの分泌が促進される。

 

③セクレチンとインクレチンにより、胃の運動を抑制され、セクレチンとコレシストキニンにより、膵酵素や胆汁の分泌を促進される。

 

消化酵素と吸収については、以下の記事を参照ください。

 

 

 

覚えるべきポイントのまとめ

 

【胃への食物の流入】

 

  1. ①G細胞からはガストリン

②壁細胞からは胃酸内因子も分泌:ビタミンB12の吸収を促進する)

③主細胞からはペプシノーゲン

 

※補足①:副細胞からは粘液が分泌され、胃の保護をする作用があります。

 

【十二指腸への食物の流入】

 

  1. ①十二指腸S細胞からはセクレチン
  2. ②十二指腸K細胞からはGIP(インクレチン)
  3. ③十二指腸I細胞からはコレシストキニン

 

※補足②

ホルモンとは、下垂体や甲状腺など専門の器官から分泌され、血液にのって標的となる細胞に作用して、その働きを促進したり抑制したりします。

 

それが消化管からも分泌されており、それらを総称して消化管ホルモンと呼んでいます。

 

消化管ホルモンは、ガストリン・セクレチン・コレシストキニン・インクレチンなどになります。

 

他のホルモンと同様に覚えておきましょう。

こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、消化と吸収 〜消化酵素の分泌器官とその機能〜についてです。

 

人は植物とは違い、生きるために栄養素を食事からとる必要があります。

 

ただ、ご飯や唐揚げを食べたからといって、そのまま血液の中・細胞の中にご飯粒や唐揚げが入る訳ではありません。

 

ご飯や唐揚げに含まれる栄養素を体内に取り込む必要があり、そのために身体は消化と吸収を行っています。

 

今回は、消化と吸収について細かく見ていきます。

 

消化と吸収

 

消化とは、ご飯粒や唐揚げを、体内に取り込めるまでに細かく分解する働きのことを指します。

 

一方、吸収とは、その消化した物質を体内に取り込むことを指します。

 

吸収は小腸の吸収上皮細胞で行われるので、小腸に達するまでに食べ物を消化する必要があります。

 

(大腸では水分が吸収されます)

 

つまり、消化は口・胃・(上部小腸)で行われます。

 

消化には物理的消化と化学的消化がある

 

物理的消化とはその他の通り、物理的に食塊などを細かくする消化です。

 

化学的消化とは消化酵素などにより分子の鎖を切り、高分子化合物を低分子化合物にする消化になります。

 

物理的消化

 

物理的消化で意識的に行っているのは、食塊を歯で噛み砕く行動です。

 

小さく砕くことで、胃、十二指腸での消化を助けられるので、しっかり噛んで食べることは大事になります。

 

その他、物理的消化には、胃や小腸で行われる振子運動や分節運動も含まれます。

 

消化管で振子運動や分節運動が起こることで、胃の内容部を撹拌したり、つぶしたりすることができます。

 

(蠕動運動は、食べ物を先へ送る働きであり、全消化管でみられる運動です。)

 

化学的消化

 

物理的消化によってどんなに細かく砕いて、撹拌したとしても、まだ小腸の吸収上皮細胞を通り、血液やリンパ管に入るには、まだ不十分です。

 

その細かく砕かれた食塊に消化酵素が混ざり、高分子化合物(糖質・蛋白質・脂質)を低分子化合物(グルコース・アミノ酸・脂肪酸とグリセロール)まで分解することで、栄養素として吸収ができます。

 

糖質・蛋白質・脂質の三大栄養素は小腸で大半が吸収され、水分やミネラルは大腸で吸収されます。

 

国家試験では三大栄養素を消化する消化酵素がよく出題されますので、必ず覚えておきましょう。

 

三大栄養素に対する消化酵素

 

必ず押さえておきたいポイントを記載します。

 

◉糖質→アミラーゼ(唾液と膵液)

 

◉蛋白質→ペプシン(胃液)、トリプシン・キモトリプシン(膵液)

 

◉脂質→リパーゼ(膵液)+胆汁

 

※胆汁は消化酵素ではありませんが、脂質を乳化し、消化を助ける物質です。

 

必ず上記の消化酵素は押さえておきましょう。

 

特に膵液は、糖質・蛋白質・脂質全てを消化する酵素が含まれており、大変重要な消化酵素です。

 

膵液は、膵管を通り、十二指腸に注ぎ込まれます。

 

吸収された栄養素は肝臓へ

 

口から食べた食べ物(高分子化合物)は、物理的消化・化学的消化を受けることで低分子化合物となり、小腸の吸収上皮細胞から栄養素は吸収されました。

 

では、小腸の吸収上皮細胞に吸収された栄養素はどうなるのか?

 

小腸の吸収上皮細胞を介して、血液(一部リンパ管)に入った栄養素は、門脈を経由して肝臓へ入ります。

 

※そのため、小腸などの消化管から出る静脈(上腸間膜静脈・下腸間膜静脈)は栄養素が豊富に入った血管になります。

 

上・下腸間膜静脈→門脈→肝臓に入り、吸収された栄養素は肝臓で代謝され、身体に必要なように分解・貯蔵などを行っています。

 

(栄養素を吸収され、水分も吸収され、最後の老廃物が便となって排泄されています)

 

肝臓の4つの機能

 

消化と吸収の側面から見て、肝臓は様々な栄養素を集め、身体の必要な物質を作ったり、いらないものを排出したりする働きを持っていることがわかります。

 

肝臓の主の働きを最後に見ていきます。

 

三大栄養素の代謝

 

①糖代謝:吸収して集めたグルコースをグリコーゲンとして貯蔵したり、グリコーゲンを分解してグルコースにしたりすることで、血中のグルコース濃度を保つ。

 

②蛋白質代謝:吸収したアミノ酸から血漿タンパク質(アルブミンや血液凝固因子など)を合成する。

 

③脂質代謝:吸収した脂肪酸とグリセロールからコレステロールやリン脂質を合成する。

 

④その他:吸収したビタミンやホルモン、ビリルビンなどを代謝する機能もある。

 

解毒

 

肝臓は、アルコールや薬物、アンモニア、毒素などの有害物質を解毒する機能もあります。

 

胃腸で吸収されたアルコールや薬物は、門脈を経由し肝臓に入ると、上記のような有害物質を解毒し、無害化します。

 

胆汁の生成

 

胆汁は胆汁酸と胆汁色素からなります。

 

胆汁酸は脂質代謝後のコレステロールからつくられる物質で、脂質を乳化させる役割を持ちます。

 

生成された胆汁は、胆のうに貯蔵されます。

 

生体防御

 

肝臓には消化管からの多くの血液が集まり、その血液中に異物がいないかをマクロファージがパトロールしてくれています。

 

血中に異物・有害物質がいた場合、貪食することで、生体防御に関わっています。

 

まとめ

 

普段食べている食事は、糖質・蛋白質・脂質といった高分子化合物の状態であり、そのままでは体内に吸収できません。

 

そのため、消化管の各所で消化が行われ、低分子化された栄養素を小腸で吸収しています。

 

吸収された栄養素は門脈を経由して肝臓に入り、代謝されています。