こんにちは、講師のサキです。
今回は、疾病・障害・死の受容について、解説していきます。
主に、フィンクの危機モデルとキューブラー=ロスの5段階モデルについて説明します。
似た概念であり、ごちゃごちゃに覚えがちなので、しっかり区別して覚えましょう。
フィンクの危機モデル
フィンクの危機モデルは4つの段階に分かれます。
第1段階:衝撃
最初の強いショックを受ける。無気力や強い不安感、パニック状態。
第2段階:防御的退行
自分を守ろうとする時期。現実を否認して、希望的思考にふける。
第3段階:承認
危機の実現に直面する時期。深い抑うつや喪失感。
第4段階:適応
建設的な方法で現実に対処する時期。新しいアイデンティティの獲得。
キューブラー=ロスの5段階モデル
こちらは5段階。HITUJIと覚えましょう。
第1段階:否認
状況の否認 「何かの間違いだ!」
第2段階:怒り
「なぜほかの人ではなく私が・・」という割り切れない思い
第3段階:取引
善行を行うことで治癒を獲得しようとする「治るなら何でもします・・」
第4段階:抑うつ
喪失「もうあかん、ほんまに無理や・・」
第5段階:受容
死の受容「これも運命やし、今を生きよう!」
過去問に挑戦
第107回 フィンクの危機理論
フィンクの危機管理モデルの過程で第3段階はどれか。
- 1.防御的退行
- 2.衝撃
- 3.適応
- 4.承認
解答 4
第106回 キューブラー=ロスの5段階モデル
キューブラー=ロスによる死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。
1.死ぬことへの諦め
2.延命のための取引
3.死を認めようとしない否認
4.死ななければならないことへの怒り
解答 4
その他:ションツとコーンの障害受容過程
ションツの障害受容過程
理論の背景:子どもに聴力障害のあると知った親など
第1段階:最初の衝撃
第2段階:現実認知
第3段階:防御的退行
第4段階:承認
第5段階:適応
コーンの障害受容過程
理論の背景:突然に身体に障害を受けた人
第1段階:ショック
第2段階:回復への期待
第3段階:悲嘆
第4段階:防衛
第5段階:適応
まとめ
疾病・障害・死の受容には4つの似た概念がある。
・フィンクの危機モデルは唯一4段階モデル
・キューブラー=ロスの5段階モデルは死にゆく者の心理過程
・ションツとコーンも5段階の障害受容過程
それぞれ似た概念であり、ごちゃごちゃにならないように覚えるようにしましょう。
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