こんにちは、講師のサキです。

 

この記事では、看護師国家試験に向けての学習方法についてご紹介していきます。

 

皆さんは今までどのような学習を行ってきましたか?

 

大学生あるあるは、テスト前日に授業で配布されたレジメに緑色のペンで塗り、赤シートで隠して丸暗記する、という方法です。

 

この方法で、どうにか定期テストの赤点は免れてきたかもしれませんが、知識は定着していないような気がしませんか。

 

というのも一夜漬けで一気に覚えるという方法は、かなり間違った学習方法だからです。

 

ここでは効果的な学習方法を脳科学の観点も加えてお伝えしますので、これからの学習にぜひ取り入れて頂ければと思います。

 

一夜漬け学習方法は何故悪いのか

 

一夜漬け学習法で一番間違っている点は、繰り返しの学習をしていないということです。

 

クラスで頭の良い人がいるかと思いますが、決して脳が発達している訳ではありません。

 

勉強の仕方が良いから、たくさんの知識を定着させられており、結果として成績が良いだけです。

 

つまり、知識を定着させるための学習方法をすることができれば、成績を上げることができます。

 

そのキーとなるのが、繰り返し学習になります。

 

成績を上げる学習方法

 

知識を定着させるには、繰り返しの学習が重要になります。

 

脳科学的にみると、一夜漬け(一度だけの学習)は脳の海馬で短期的に記憶しただけの知識で、繰り返しの学習は脳の側頭葉で長期的に記憶した知識となります。

 

昨日の食べたご飯は忘れてしまいますが、小学校時代に仲が良かった友達の名前は思い出せますよね。

 

これは、不要な記憶は海馬で短期的に記憶された後に消去されてしまいますが、側頭葉に記憶されたものは長期的な記憶として保存されているからなのです。

 

また、仲の良い(悪い)友達の名前は思い出せますが、どちらでもない友達の名前はなかなか思い出せません。

 

これは、関心のある人(事)は、頭の中で何度も繰り返し思い出したりしているので、脳が大事な情報として側頭葉に保存してくれているからです。

 

(興味の無い人(事)は、思い出したりしないので、不要な情報と脳が判断して消去してしまっているということです)

 

つまり、ここから分かることは、繰り返し思い出す(学習)をすることで、学習内容を一時的な記憶ではなく、長期的な記憶の場所である側頭葉に保存するようになるということです。

 

だから繰り返しは非常に大事ということになります。

 

繰り返しの頻度はエビングハウスの忘却曲線を参考に

 

繰り返しの学習が大事ということは分かっているが、どのように繰り返し学習を行えばよいのかが分からないという方も多いと思います。

 

そこで、エビングハウスの忘却曲線の考え方が大事になります。

 

 

この見方は色々ありますが、要は今覚えたと思ったことでも復習をしなければ、20分後には42%、1時間後には56%、1週間後には77%程度忘れてしまっているということを表しています。

 

これは脳が忘れることが得意だからです。(色々なことをいちいち覚えていたら、生きていけません)

 

なので脳に、「この知識は必要な知識だから側頭葉に保存しといて」と伝える必要があり、その作業が繰り返しということです。

 

ではその繰り返しの方法で推奨するのは、50%程度忘れかけている1時間後にもう一度繰り返す(復習する)ことです。

 

その後、下の図のように、1日後、1週間後、1ヶ月後という単位で見直すことをおすすめします。

 

 

勉強をし始めて最初に勉強したことは、1時間後に半分は忘れてしまっています。

 

しかし、半分は覚えているので、半分の力(時間)で記憶を取り戻すことができます

 

適度に忘れかけているタイミングで、繰り返し学習をする(想起する)ことができるゴールデンタイムです。

 

では、1時間の学習量はどの程度か

 

1時間に1回復習することの重要性は分かったが、1時間に1回復習していたら、全然前に進められない、と思っている方もいるはずです。

 

実際、この1時間の学習量を調整する作業が非常に難しいですし、教科や単元、既に覚えているレベル、興味・関心のレベルなどによって全然違いますので、一概には言えません。

 

逆に、この1時間の学習量と復習のタイミングが分かれば、後はスムーズに学習が進められます。

 

上記のような学習方法や学習スケジュールなどだけでも詳しく聞きたいという方、無料の体験授業なども行っています。

 

 

ご興味があれば、こちらからどうぞ。

 

1時間の学習量を調整するために必要なある程度学習

 

看護師国家試験の過去問を解くと分かるかと思いますが、問題を解くには〇をつけるだけなので、1分もかかりません。

 

単純計算で、1時間で60問以上解けることになりますが、それではあまり意味がありません。

 

他の選択肢がどう違うのか解説を読んだり、関連事項を教科書やレビューブックなどのテキストで調べたりすることで、理解が深まります。

 

そのため、問題よっては1-2問解くのに1時間かかることもあります。

 

そうです、出会った問題によりかかるスピードは違うのです。

 

ただ、前提として必ず覚えていてほしいのは、必ず復習するということです。

 

1回目でどんなに丁寧に解説を読んだり、綺麗にノートにまとめたりしたとしても、1回の学習では脳は必ず忘れます。

 

それよりもある程度の段階まで覚えて、次に進んでください。

 

必ず復習するので、完璧に覚える必要はないと言い聞かせる癖をつけてください。

 

ある程度まで勉強を深めるので、私は国家試験対策の学習を『ある程度学習』と呼んでいます。

 

出会った問題により違ってくる『ある程度学習』

 

何度も言いますが、出会った問題によりある程度するべき学習の量が異なるというところが非常に難解な部分です。

 

そこで、ある程度の学習で前に進んでいくためのひとつの目安として、「セレゴ・メゾット」による記憶の段階も大事な考え方になります。

 

ここでは長くなるので、簡単に説明します。

 

深く知りたい場合は、こちらの記事もどうぞ。

 

 

 

「セレゴ・メゾット」による記憶の段階は4つのレベル

 

・ファミリア(familiar)=親近感

・リコグニション(recognition)=見分ける

・リコール(recall)=再生する

・オートマティック(automatic)=自動的→習熟

 

重要なのは、リコグニションとリコールの段階です。

 

リコグニションは選択肢を与えられれば見分けられる、リコールは選択肢がなくとも答えられるレベルとなります。

 

正解の選択肢を見分けられるリコグニションのレベルまで1回目で暗記しつつ2回目以降の復習でリコール以上のレベルまで暗記の状態を上げていくようなイメージで学習をしていくことをおすすめします。

 

 

ある程度学習を取り入れた学習スタイルの提案(目安)

 

簡単にまとめると、知識の定着のためには繰り返しの学習が重要であり、繰り返すための時間を確保するためにはある程度学習が必要になる、ということになります。

 

それらを踏まえて、以下のような学習スタイルをひとつの目安として推奨しています。

 

(例の書籍はQBとレビューブックを想定しています。)

 

【学習1日目】

 

①レビューブックの1単元を1時間かけて一通り読む。(初めての場合は分からないことが多いと思いますが、とにかく読み進めてください)

 

②上記の単元に該当するQBの単元を1時間かけて解く。こちらも初めての場合、全く分からない問題もあるかと思いますが、その場合は、考えるよりも解答・解説をすぐに読んで、覚えるようにしてください。

 

③1時間かけて進めた範囲を30分かけて見直す。

 

(エビングハウスの忘却曲線から考えると、1時間で覚えた内容を半分の力で思い出せるので、30分で終了するはずです。)

 

これが1クール、学習時間にして2時間半です。

 

【学習2日目】

 

2日目も同様の方法で次の単元を学習しますが、そこに復習時間が入ってきます。

 

①学習1日目の範囲を15分かけて復習する。(こちらもエビングハウスの忘却曲線より)

 

②前日の①~③を同様に実施する。

 

学習時間は1日目の+15分になりますので、2時間45分です。

 

【学習3日目】

 

3日目は1日目と2日目の復習時間があります。

 

①学習1日目の範囲を8分かけて復習、学習2日目の範囲を15分かけて復習する。

 

②前々日同様①~③を実施する。

 

学習時間にして約3時間です。

 

以降、2日前と前日の内容を復習する時間を30分程度とり、当日の勉強時間を2時間半とることを繰り返します。

 

この学習方法のメリットとしては、レビューブックを読むことと、QBを復習と合わせ2回解くことで、既に3回の繰り返し学習を行っているということです。

 

1日1単元進められたと仮定して、1カ月で30単元をクリアできる計算になり、1カ月後はまた最初から同様の手順で進めると、3カ月で9回の繰り返し学習ができることになります。

 

繰り返しの学習スピードはもっと速いので、実際はもっと速いスパンで学習可能です。

 

状況によっては、①のレビューブックを読むことを飛ばし、②QB問題集を解くことからスタートしても良い場合もあります。

 

あくまで机上の理想論

 

実際はそんなに甘くありませんので、上記のペースでは難しいと思う場合は、過去問1問につき平均して1-2分(長くとも5分)を目安に、1時間で30問以上を目指して進めてほしいと思います。

 

一番おすすめしないのは、丁寧に進める学習方法です。

 

繰り返しが1-2カ月先になってしまうと、以前学習した記憶も薄れてしまい、覚えていないことに対して焦りだけが募ってしまう結果になります。

 

こういった理由もあり、限られた時間で進めるには、ノートやレビューブックにまとめるというより、メモを直接問題に書き込みながら、復習をしやすくする方法も推奨しています。

 

何度も言いますが、問題によって時間をかけなくてはならない問題もありますので、ある程度学習の感覚が身につくまでは、とりあえず進めてみるという気持ちを大事にしてください。

 

最後に

 

看護師国家試験対策講師の経験から推奨する学習方法を色々と紹介しましたが、学習の仕方は個人によって全然違いますので、あくまで一例としてください。

 

ただ、看護師国家試験は落とすための試験ではなく、最低限必要な知識を身につけているかを確認するような試験です。

 

何度も繰り返し解くことで、重要な知識は何かが分かるようになり、自然と成績も上がっていくはずなので、分からないと思ってもあきらめずに取り組むようにして下さい。

 

もっと個別に授業計画などを教えてもらいたいという方は、無料体験授業も行っていますので、こちらから無料体験授業の流れなどをご覧ください。

 

 

一人で悩む前に、ぜひ一度ご相談ください。

 

一人でも多くの仲間(看護師)が誕生することを切に願っています。

 

 

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