こんにちは、講師のサキです。
今回は、検査時の看護で、絶食が必要な検査や検査後に注意すべき点など、ポイントを絞って解説します。
生体検査総論
検体を採取するのではなく、身体を直接的に調べる検査を生体検査といいます。
例)X線撮影、CT、MRI、血管造影、内視鏡検査、超音波検査、心電図検査、呼吸機能検査、核医学検査、脳波検査、脊髄造影など。
生体検査の中でよく出るのは、消化管の生体検査です。
消化管の生体検査の種類と特徴
消化管の生体検査の種類と特徴
造影検査 | 内視鏡検査 | |
上部 |
上部消化管造影検査 | 上部消化管内視鏡検査 |
食事:少量の水分を除いて、検査前12時間は絶飲食とする | ||
造影剤と発泡剤を内服する。
検査中は胃をなるべくふくらませるため、曖気をなるべく我慢する。 検査後は下剤を服用する。 |
消泡剤を内服して実施。
検査中の体位は左側臥位。 検査後1時間は咽頭麻酔の影響の誤嚥を防止するのため飲食・含嗽は禁。 |
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下部 |
注腸造影検査 | 下部消化管内視鏡検査 |
食事:検査前日は低残渣食とする。 | ||
検査前日に下剤を服用する。
硫酸バリウムを注入し、検査後は下剤を服用する。 |
検査当日に経口腸管洗浄液を服用する
検査中の迷走神経反射や出血や穿孔、下血に注意する。 |
消化管の造影検査は、上部と下部、造影剤と内視鏡の違いや共通点などを整理して覚えましょう。
造影検査の共通点は硫酸バリウムを飲み(注入し)、検査後には下剤を服用します。
内視鏡検査は、検査時にカメラを注入するため、上部では咽頭麻酔を行うことによる誤嚥のリスク、下部では迷走神経反射や出血、穿孔などのリスクが伴います。
造影剤を用いる検査時の注意点
造影剤を用いる検査では、副作用である嘔吐による誤嚥を防ぐため、検査前4時間程度は禁食となっています。
一方、造影剤を用いない検査の場合、基本的に食事制限はありません。
また、アナフィラキシー様症状やときにはショックなどの重大な副作用が出現することがあるため注意が必要にもなります。
その他、造影剤の過敏症や甲状腺疾患のある患者には禁忌であるほか、気管支喘息、腎障害、糖尿病などの患者も副作用が出現しやすいので注意が必要となります。
補足:頭部CT・頭部MRI・脳血管造影
頭部CTはX線の透過量をコンピューター処理して画像を得る断層撮影法で、侵襲が少ない検査です。
X線撮影は2次元撮影ですが、CT撮影は3次元に撮影ができるという違いがあります。
頭部MRIは、強力な磁力を使用して画像を得る検査法です。X線は利用しません。
脳血管造影は、大腿動脈などからカテーテルを挿入し、大動脈内を上行させ、水溶性ヨード造影剤を注入し、脳血管のエックス線像を得る検査です。
この検査により、脳の血管の走行や形状の異常、太さや狭窄部が分かります。
脳血管造影検査は造影剤を使用するため、消化器の検査ではありませんが、検査前後の2時間程度の飲食制限があります。
検査を行う病院によって、飲食制限の時間は異なってきますので、厳密な時間を問うような問題は出題されていません。
検査看護は難しいですが、看護師の立場で必要な知識(検査後の注意点など)を重点的に覚えることが重要になります。