こんにちは、講師のサキです。
今回は、必修問題に焦点を当て、これまでの動向や出題傾向を分析していきたいと思います。
必修問題のこれまでの動向
看護師国家試験は、112回を数えますが、必修問題は当初から設けられていた訳ではありません。
第93回の国家試験から30問の必修問題が導入され、正答率80%の絶対基準が設けられました。
その後、第99回からは問題数が50問となり、40/50点以上が絶対基準となりました。
これまでの必修問題の問題数は全部で880問
第93~98回は30問なので、30問×6=180問
第99回~112回は50問なので、50問×14=700問
合計:180+700=880問がこれまで出題されてきました。
880問という数を多いと思う人もいるかもしれませんが、難易度を考えると全て解くことも可能かと思います。
余裕があれば、880問全てを解いてみるというのも良いかもしれません。
(※統計データなど古いデータもあるので、丸覚えはしないように)
必修問題全880問の出題基準とは
必修問題は出題基準(テスト範囲のようなもの)が定められていて、その範囲の中から出題されます。
テスト範囲と同様に、出題基準から全て出題される訳ではなく、必修にふさわしい問題を毎年50問選んで、出題されています。
特徴として、国家試験はプール制(過去の問題を繰り返し出題する方式)を取り入れているので、重要な問題ほど何度も出題されるようになっています。
そのため、何度も出題される問題もあれば、今までほとんど出題されていない問題もあります。
実際、毎年半分以上は、過去問の出題形式を変えて、同じような問題が出題されています。
正答率の高い問題は、ただ単に簡単な問題という訳ではなく、何度も出題される重要な問題であるため、多くの受験者が解け、正答率が高くなっているという仕組みになっています。
過去問を何度も解いていると、「これはよく見る問題だ」と気付くようになり、重要な問題を見出せるようになります。
ただ、重要なことは、全く同じ問題は出ないので、丸覚えせずに、応用がきくように学習していくことが大切になります。
出題傾向の分析
出題基準の目標別に、どのような出題傾向にあるのかを分析してみたいと思います。
看護師国家試験の出題基準の4つの目標
目標Ⅰ.看護の社会的側面及び倫理的側面について基本的な理解を問う
目標Ⅱ.看護の対象者及び看護活動の場について基本的な理解を問う
目標Ⅲ.看護に必要な人体の構造と機能及び健康障害と回復について基本的な理解を問う
目標Ⅳ.看護技術の基本的な理解を問う
出題基準の詳細な内容はこちらの記事からどうぞ。
必修問題の目標別の出題数:第104回~109回:300問
出題基準別の配点は以下のようでした。
目標Ⅰ |
68点 |
目標Ⅱ |
52点 |
目標Ⅲ |
108点 |
目標Ⅳ |
90点 |
分野別に出題数を整理すると、おおよそ以下のようでした。
1.解剖生理/病態生理/薬理学:108/300(50点換算:16/50)
2.基礎看護学:90/300(50点換算:15/50)
3.社会保障関連:72/300(50点換算:12/50)
第104回~109回:300問の分析結果の考察
解剖生理/病態生理/薬理学の配点が最も大きいですが、その分範囲はかなり広く、難易度も高いです。
一方、社会保障や基礎看護学の配点は解剖生理等に比べると配点は低いですが、学習する範囲は狭く、難易度は低いです。
特に、社会保障などの分野は重要な問題は決まっているので、一気に覚えてしまうことで、必修の社会保障の範囲分の得点を上げることが可能です。
一方、解剖生理/病態生理/薬理学の範囲は、重要な問題が多く、絞りにくい分野なので、一般問題を見据えながら、丁寧に学習することが大切になります。
必修問題とひとくくりにせず、目標別に問題を解き進めることも大事です。
必修問題の得点アップのためには
先述の通り、必修問題とひとくくりにしてしまわず、目標別に理解度(得点状況)を把握することが重要です。
必修問題38/50点だったとしたら、-12点はどこの範囲なのかを知ることです。
理解していない、苦手な分野を知ることで、重点的にその分野を強化することができるからです。
模試を受けると模試の結果で簡単に情報を得られると思います。
ただ、模試だけでは不十分なので、自己学習の中でも出題基準に照らし合わせ、苦手な分野を見出していくことが重要です。
その上で、苦手分野の問題のピックアップ集を作っていくなどできればさらに良いですね。