こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、クレアチニンについてです。

 

クレアチニンは、糸球体でのろ過機能の評価に用いられ、腎機能の状態を評価するのに活用されています

 

なぜ、クレアチニンが優先的に用いられるのか、そもそもクレアチニンとは何なのかを解説します。

 

クレアチニンとは

 

クレアチニンとは、クレアチンの代謝産物になります。

 

クレアチンは、筋肉の中にクレアチンリン酸としてエネルギー源として保存しています。

 

筋肉を動かすエネルギーとして活用され、エネルギーとして活用された代謝産物としてクレアチニンが産生されます。

 

なぜクレアチニンが用いられるのか

 

尿として排泄される老廃物には、クレアチニン以外にも尿素や尿酸などがあります。

 

尿素は蛋白質の代謝産物として産生されるアンモニアを無毒化したものです。

 

尿酸はプリン体の代謝産物です。

 

クレアチニンは、筋肉のエネルギー源となるクレアチンリン酸の代謝産物でしたね。

 

ということは、尿素や尿酸でも良さそうなのに、なぜクレアチニンなのでしょうか。

 

クレアチニンはろ過された後、再吸収されない

 

クレアチニンは、糸球体でろ過されると、再吸収されることもなく、ほぼ100%が尿として排泄されるため、糸球体の機能評価に利用されています。

 

クレアチニンをろ過できている能力=クレアチニンクリアランスと呼ばれています。

 

イヌリンクリアランスもある

 

イヌリンとは、玉ねぎやゴボウなどに含まれる多糖類です。

 

イヌリンは、糸球体からのみろ過され、再吸収されることなく、100%尿として排泄されるため、糸球体の機能評価に最も適しているとされています。

 

(世界的基準はイヌリンクリアランスです。)

 

しかし、腎臓が悪い可能性がある人に、あえてろ過機能を評価するために、イヌリンを投与すると、さらなる腎機能悪化の可能性もあり、おすすめできません。

 

そこで、近似値となることができる、クレアチニンのろ過機能評価が用いられています。

 

クレアチニンは、元々体内にある物質なので、余分な負荷はかけません。

 

クレアチニンを体内に残すことなく、クリアランスできているかを測定することで、腎機能の評価をしている訳です。

 

まとめ

 

クレアチニンは、クレアチンの代謝産物。

 

クレアチンリン酸は、筋肉を動かす時のエネルギーとして活用され、その代謝産物としてクレアチニンが産生される。

 

クレアチニンは糸球体でろ過された後、尿細管で再吸収されず、ほぼ100%が尿として排泄されるので、糸球体のろ過能力を測定するのに有効である。

 

 

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