月別:2023年03月

こんにちは、講師のサキです。

 

耳鼻科の問題は、伝音性難聴と感音性難聴、メニエール病、突発性難聴、老人性難聴・・出題数は少ないものの、なかなか難しいです。

 

今回は、難聴の種類と検査方法に絞って解説していきたいと思います。

 

難聴の種類

 

難聴は、伝音性難聴・感音性難聴・混合性難聴の3種類がありますが、基本的に伝音性難聴か感音性難聴を問う問題が出題されます。

 

簡単に表すと、伝音性難聴は音の伝わる経路の障害、感音性難聴は内耳まで伝わった音が脳にまで伝えられない障害ということになります。

 

それぞれ見ていきたいと思います。

 

伝音性難聴

 

音の伝わる経路の障害、つまり外耳や中耳の伝音系の障害ということになります。

 

音は、空気の振動となって外耳道を通って鼓膜に伝わり、耳小骨で20倍程度の大きさの振動に拡大されます。

 

この内耳までの経路を気伝導、気導聴力など表現され、ここが障害されることを伝音性難聴と呼びます。

 

原因としては、中耳炎や鼓膜穿孔、耳の垢による塞栓などがあり、音センサーの内耳まで音を届けることができない状態になります。

 

音の伝わる経路の問題であり、治癒する可能性が高いです。

 

気導聴力は低下しますが、骨導聴力は正常の状態となるため、気導聴力<骨導聴力となります。

 

感音性難聴

 

一方、音センサーの内耳まで音が届けられている(気伝導はOK)にも関わらず、内耳より中枢の障害により、脳にまで音を届けられない状態を感音性難聴と呼びます。

 

原因は、老人性難聴や騒音性難聴、メニエール病、突発性難聴などです。

 

伝音声難聴と比較すると、治りにくいです。

 

また、老人性難聴は両側性ですが、メニエール病や突発性難聴は一側性という特徴もあります。

 

感音性難聴は、気導聴力だけでなく、骨導聴力も低下するため、気導聴力>骨導聴力となります。

 

耳の検査

 

標準純音聴力検査は、オージオメータを使用します。

 

気導聴力と骨導聴力を調べる時には、音叉による聴力検査:ウェーバー試験やリンネ試験を実施します。

 

ウェーバー試験

 

音叉を鳴らして、被験者の頭頂部に当て、左右どちらの音が強く聞こえるかを調べます。

 

これは、骨伝導が左右対象に伝わっているかを確認するために実施しています。

 

感音性難聴の場合は健側、伝音性難聴の場合は患側が強く聞こえます。

 

なぜ、伝音性難聴の場合は、患側の耳は耳垢などで周囲から入る音が遮断されているため、大きく音が聞こえるように感じます。

 

感音性難聴の場合、患側の耳は骨伝導も低下しているため、健側の耳の方が音が大きく聞こえます。

 

リンネ試験

 

リンネ試験は、骨伝導と気伝導はどちらが長く聞こえるかを計測する試験です。

 

①音叉を鳴らしてから、被験者の耳介後方の骨に押し当てます。(被験者は音を感じます)

 

→この時間は骨伝導で聴こえている時間になります。

 

②被験者が音を感じなくなったタイミングで合図をしてもらい、すぐに音叉を耳元に近づけ、再び音が聴こえなくなるまでの時間を測定します。

 

→最初に音叉を鳴らしてから、音が聴こえなくなるまでの時間が気伝導で聴こえた時間です。

 

伝音性難聴の場合、気伝導<骨伝導であるため、耳元に音叉を近づけたタイミングから音が聴こえません。(リンネ陰性と表現されます)

 

感音性難聴の場合、気伝導>骨伝導であるため、耳元に音叉を近づけたタイミングは音が聴こえています。(リンネ陽性と表現されます)

 

健常者でも、リンネ陽性となるため、リンネ試験だけでは正常か感音性難聴か分かりませんので、ウェーバー試験なども実施することが必要です。

 

まとめ

 

難聴には伝音性難聴と感音性難聴がある。

 

伝音性難聴は、耳の垢などによる気伝導の問題であり、気伝導<骨伝導となる。

(気伝導は低下、骨伝導は正常)

 

感音性難聴は、内耳から中枢の音を感じる部分に問題があり、気伝導>骨伝導となる。

(気伝導も骨伝導も低下している)

 

感音性難聴には両側性の老人性難聴、一側性のメニエール病や突発性難聴がある。

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第110回 看護師国家試験 必修問題

 

〔問題1〕2018 年の日本の総人口に最も近いのはどれか。
1. 1億人
2. 1億600万人
3. 1億2,600万人
4. 1億4,600万人

 

解答・解説
解答 3
解説 令和元年における日本の総人口は、1億2607万人である。

 

〔問題2〕平成29年(2017年)の患者調査における外来受療率(人口10万対)で最も多い傷病はどれか。
1. 新生物〈腫瘍〉
2. 呼吸器系の疾患
3. 消化器系の疾患
4. 内分泌、栄養及び代謝疾患

 

解答・解説

解答 3

解説 消化器系疾患の外来受療率は人口10万対1,021と最も多い。(消化器系疾患の外来受療には、虫歯治療も含まれており、多い。)

 

〔問題3〕大気汚染物質はどれか。
1. フロン
2. カドミウム
3. メチル水銀
4. 微小粒子状物質(PM2.5)

 

解答・解説

解答 4

解説 PM2.5は大気汚染物質である。フロンを選ぶ人も多いが、フロンは安定した性質であるため、成層圏まで達してオゾン層を破壊する原因物質である。

 

〔問題4〕要介護認定の申請先はどれか。
1. 市町村
2. 診療所
3. 都道府県
4. 介護保険審査会

 

解答・解説

解答 1

解説 要介護認定の申請先は市町村である。介護保険審査会は、保険給付等に関する不服に対して審査などをする機関であり、認定の申請先ではない。

 

〔問題5〕看護師免許の付与における欠格事由として保健師助産師看護師法に規定されているのはどれか。
1. 20歳未満の者
2. 海外に居住している者
3. 罰金以上の刑に処せられた者
4. 伝染性の疾病にかかっている者

 

解答・解説

解答 3

解説 欠格事由は、①罰金以上の刑に処せられた者の他、②看護師等の業務に関し半坐位又は不正の行為があった者、③心身の障害により看護師等の業務を適正に行うことができない者、④麻薬、大麻又はあへんの中毒者と定められている。

 

〔問題6〕出生時からみられ、生後4か月ころに消失する反射はどれか。
1. 手掌把握反射
2. 足底把握反射
3. パラシュート反射
4. Babinski〈バビンスキー〉反射

 

解答・解説

解答 1

解説 手掌把握反射は、手のひらに触れると全指を握るように内側に曲げる反射である。ものをつかむ運動ができるようになる生後4か月ころに消失する。同様に、足底把握反射は足底に触れると全指を内側に曲げる反射である。歩行開始に伴い、9-12カ月頃までに消失する。

 

〔問題7〕平成30年(2018年)の学校保健統計調査における学童期の異常被患率で最も高いのはどれか。
1. 高血圧
2. 摂食障害
3. 心電図異常
4. むし歯(う歯)

 

解答・解説

解答 4

解説 う歯の被患率は45%程度とほぼ半数が罹っている。

 

〔問題8〕ハヴィガースト, R. J.Havighurst, R. Jが提唱する老年期の発達課題はどれか。
1. 子どもを育てる。
2. 退職と収入の減少に適応する。
3. 社会的責任をともなう行動を望んでなしとげる。
4. 男性あるいは女性としての社会的役割を獲得する。

 

解答・解説

解答 2

解説 1は壮年期、3,4は青年期の発達課題。

 

〔問題9〕平成30年(2018年)の国民生活基礎調査で65歳以上の者のいる世帯の割合に最も近いのはどれか。
1. 10%
2. 30%
3. 50%
4. 70%

 

解答・解説

解答 3

解説 日本の全世帯数は5,178万世帯、そのうち65歳以上の者のいる世帯は2,558万世帯で、その割合はほぼ50%である。

 

〔問題10〕地域保健法に基づき設置されているのはどれか。
1. 診療所
2. 保健所
3. 地域包括支援センター
4. 訪問看護ステーション

 

解答・解説

解答 2

解説 1は医療法、3は介護保険法、4は健康保険法と介護保険法に基づいている。(市町村保健センターも地域保健法に基づき設置されている。)

 

〔問題11〕後頭葉にあるのはどれか。
1. 嗅覚野
2. 視覚野
3. 聴覚野
4. 体性感覚野

 

解答・解説

解答 2

解説 嗅覚野と聴覚野は側頭葉、体性感覚野は頭頂葉にある。

 

〔問題12〕胃から分泌される消化管ホルモンはどれか。
1. ガストリン
2. セクレチン
3. 胃抑制ペプチド
4. コレシストキニン

 

解答・解説

解答 1

解説 胃からはガストリンが分泌され、胃の運動を促進する。一方、2,3,4は十二指腸から分泌され、胃の運動を抑制する方向に働く。

 

〔問題13〕キューブラー・ロス, E.Kübler-Ross,E.による死にゆく人の心理過程で第5 段階はどれか。
1. 怒り
2. 否認
3. 死の受容
4. 取り引き

 

解答・解説

解答 3

解説 ①否認②怒り③取引④抑うつ⑤死の受容の5段階である。

 

〔問題14〕肝性脳症hepatic encephalopathyの直接的原因はどれか。
1. 尿酸
2. アンモニア
3. グルコース
4. ビリルビン

 

解答・解説

解答 2

解説 アンモニアは主に腸内細菌によって産生されたのち、肝臓で尿素に解毒され、尿とともに体外に排泄される。肝機能低下に伴い、アンモニアが肝臓で解毒されることなく、中枢神経に到達することで、さまざまな精神・神経症状が生じることを肝性脳症という。

 

〔問題15〕喀血の特徴はどれか。
1. 酸性である。
2. 泡沫状である。
3. 食物残渣を含む。
4. コーヒー残渣様である。

 

解答・解説

解答 2

解説 喀血と吐血の鑑別の問題である。喀血は、気管支や肺からの出血であり咳嗽とともに喀出されるため泡沫状となる。また、胃酸の影響を受けないため、鮮紅色である。

一方、吐血は胃からの出血であり、胃酸の影響を受けるので、1,3,4の特徴がある。

 

〔問題16〕緩和ケアの説明で適切なのはどれか。
1. 入院が原則である。
2. 家族もケアの対象である。
3. 創の治癒を目的としている。
4. 患者の意識が混濁した時点から開始する。

 

解答・解説

解答 2

解説 家族もケアの対象となる。

 

〔問題17〕カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品はどれか。
1. 牛乳
2. 納豆
3. ブロッコリー
4. グレープフルーツ

 

解答・解説

解答 4

解説 グレープフルーツを摂取すると、CYP3A4という酵素の働きが抑えられるため、カルシウム拮抗薬の分解が遅くなり、血中濃度を上げるリスクがある。

納豆やブロッコリーに含まれるビタミンKは、ワルファリンカリウムと拮抗作用がある。

 

〔問題18〕患者の主観的情報はどれか。
1. 苦悶様の顔貌
2. 息苦しさの訴え
3. 飲水量
4. 脈拍数

 

解答・解説

解答 2

解説 主観的情報とは、患者自身が発した訴えである。

 

〔問題19〕健康な成人における1日の平均尿量はどれか。
1. 100mL
2. 500mL
3. 1,500mL
4. 2,500mL

 

解答・解説

解答 3

解説 100ml未満を無尿、400ml未満を乏尿、3,000ml以上を多尿という。平均尿量は1,000ml-1,500ml程度である。

 

〔問題20〕足浴に使用する湯の温度で最も適切なのはどれか。
1. 26~28℃
2. 32~34℃
3. 38~40℃
4. 44~46℃

 

解答・解説

解答 3

解説 設問の通り。他の選択肢は冷たすぎる、もしくは熱すぎるため不適切。

 

〔問題21〕感染予防のための手指衛生で正しいのはどれか。
1. 石けんは十分に泡立てる。
2. 洗面器に溜めた水で洗う。
3. 水分を拭きとるタオルを共用にする。
4. 塗布したアルコール消毒液は紙で拭き取る。

 

解答・解説

解答 1

解説 手指衛生の方法の基礎的な問題。

 

〔問題22〕経鼻胃管の先端が胃内に留置されていることを確認する方法で正しいのはどれか。
1. 腹部を打診する。
2. 肺音の聴取を行う。
3. 胃管に水を注入する。
4. 胃管からの吸引物が胃内容物であることを確認する。

 

解答・解説

解答 4

解説 胃の内容物を吸引できれば、胃内にあることを確認できる。また、レントゲン撮影によって確認をする方法もある。

 

〔問題23〕輸液ポンプを使用する目的はどれか。
1. 感染の防止
2. 薬液の温度管理
3. 薬物の効果判定
4. 薬液の注入速度の調整

 

解答・解説

解答 4

解説 輸液ポンプは薬液の注入速度を正確に保つことが可能である。

 

〔問題24〕1回の鼻腔内吸引時間の目安で適切なのはどれか。
1. 10~15秒
2. 20~25秒
3. 30~35秒
4. 40~45秒

 

解答・解説

解答 1

解説 設問の通り。10-15秒が適切。

 

〔問題25〕成人の心肺蘇生時の胸骨圧迫の深さの目安はどれか。
1. 2cm
2. 5cm
3. 8cm
4. 11cm

 

解答・解説

解答 2

解説 5-6cmを目安にする。

 

〔問題26〕平成30年(2018年)の日本の出生数に最も近いのはどれか。
1. 60万人
2. 90万人
3. 120万人
4. 150万人

 

解答・解説

解答 2

解説 日本の出生数は減少傾向にあり、令和4年には79万9千人まで低下している。

 

〔問題27〕平成29年(2017年)の国民健康・栄養調査において、男性で運動習慣のある割合が最も多いのはどれか。
1. 20~29歳
2. 40~49歳
3. 60~69歳
4. 70歳以上

 

解答・解説

解答 4

解説 運動習慣の割合が最も多いのは、男女とも70歳以上である。

 

〔問題28〕平成28年(2016年)の人口1人当たりの国民医療費で最も近いのはどれか。
1. 13万円
2. 23万円
3. 33万円
4. 43万円

 

解答・解説

解答 3

解説 国民医療費は44兆円、1人当たりの国民医療費は34万円程度

 

〔問題29〕患者の権利について適切なのはどれか。
1. 患者は入院中に無断で外泊できる。
2. 患者は治療後に治療費の金額を決定できる。
3. 患者はセカンドオピニオンを受けることができる。
4. 患者は自分と同じ疾患の患者の連絡先を入手できる。

 

解答・解説

解答 3

解説 設問の通り。1,2,4は不適切。

 

〔問題30〕看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている都道府県ナースセンターの業務はどれか。
1. 訪問看護業務
2. 看護師免許証の交付
3. 訪問入浴サービスの提供
4. 看護師等への無料の職業紹介

 

解答・解説

解答 4

解説 看護師等への無料の職業紹介のほか、看護師に対する看護についての知識・技能に関する情報提供、相談などがある。

 

〔問題31〕妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。
1. 水痘varicella
2. 風疹rubella
3. 麻疹measles
4. 流行性耳下腺炎mumps

 

解答・解説

解答 2

解説 妊娠初期に風疹に感染すると、経胎盤的に胎児に影響を与え、難聴・白内障・心奇形である。

 

〔問題32〕乳歯がすべて生えそろう年齢はどれか。
1. 0~1歳
2. 2~3歳
3. 4~5歳
4. 6~7歳

 

解答・解説

解答 2

解説 乳歯は生後6-8カ月ころから萌出し、2-3歳頃で生えそろう。

 

〔問題33〕男子の第二次性徴による変化はどれか。
1. 精通
2. 骨盤の拡大
3. 皮下脂肪の増加
4. 第1大臼歯の萌出

 

解答・解説

解答 1

解説 精管につくられた精液が、初めて体外に射出された射精のことであり、男子の第二次性徴による変化である。2,3は女子に起こる変化。

 

〔問題34〕医療法に基づき高度医療の提供とそれに関する研修を実施する医療施設はどれか。
1. 診療所
2. 特定機能病院
3. 地域医療支援病院
4. 臨床研究中核病院

 

解答・解説

解答 2

解説 全て医療法に基づき設置されるものであるが、高度医療の提供とそれに関する研修を実施するのは特定機能病院である。厚生労働大臣の承認を得たものである。

 

〔問題35〕チーム医療で適切なのはどれか。
1. 他施設との間で行うことはできない。
2. チームメンバー間で目標を共有する。
3. チームリーダーは看護師に固定する。
4. 経験年数が同等の者でチームを構成する。

 

解答・解説

解答 2

解説 設問のとおり、医療の質を高めるものを選択できれば正答できる。

 

〔問題36〕健常な成人で心臓壁が最も厚いのはどれか。
1. 右心室
2. 右心房
3. 左心室
4. 左心房

 

解答・解説

解答 3

解説 全身に送り出すのは左心室であり、最も心臓壁が厚い部位である。

 

〔問題37〕後腹膜器官はどれか。
1. 胃
2. 肝臓
3. 空腸
4. 腎臓

 

解答・解説

解答 4

解説 十二指腸、膵臓、腎臓、副腎、尿管、腹部大動脈、下大静脈、交感神経幹である。

 

〔問題38〕体温低下を引き起こすのはどれか。
1. カテコラミンの分泌亢進
2. 甲状腺ホルモンの分泌低下
3. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉の分泌低下
4. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉の分泌亢進

 

解答・解説

解答 2

解説 甲状腺ホルモンには、基礎代謝を上昇させる機能がある。そのため、分泌が低下すると体温が低下する。

 

〔問題39〕四肢のうち麻痺している部位を斜線で図に示す。
片麻痺はどれか。

 

〔問題40〕痛風goutの患者の血液検査データで高値を示すのはどれか。
1. 尿酸(scabies)
2. 尿素窒素
3. アルブミン
4. トリグリセリド

 

解答・解説

解答 1

解説 高尿酸血症(尿酸値7mg/dl以上)が続くと痛風を発症する。

 

〔問題41〕ループ利尿薬について正しいのはどれか。
1. 作用発現が速い。
2. 眠前の服用が望ましい。
3. 抗不整脈薬として用いられる。
4. 副作用〈有害事象〉に高カリウム血症hyperkalemiaがある。

 

解答・解説

解答 1

解説 作用発現が速いため、低カリウム血症のリスクがある。

 

〔問題42〕経口投与後の薬物が初回通過効果を受ける場所はどれか。
1. 胃
2. 肝臓
3. 小腸
4. 腎臓

 

解答・解説

解答 2

解説 経口投与後、胃で吸収され、肝臓で代謝される。肝臓で代謝されることを初回通過効果という。

 

〔問題43〕自力での摂取が困難な成人患者の食事介助で適切なのはどれか。
1. 水分の少ない食べ物を準備する。
2. 時間をかけずに次々と食物を口に入れる。
3. 患者に食事内容が見える位置に食器を配置する。
4. 患者の下顎が上がるよう高い位置からスプーンを操作する。

 

解答・解説

解答 3

解説 誤嚥を防ぐため、下顎が下がるように低い位置からスプーンを操作する。

 

〔問題44〕グリセリン浣腸を実施する際、腸管穿孔の危険性が最も高い体位はどれか。
1. 立位
2. 仰臥位
3. 腹臥位
4. 左側臥位

 

〔問題45〕体位を図に示す。
Sims〈シムス〉位はどれか。

 

〔問題46〕Kaup〈カウプ〉指数の計算式はどれか。

 

〔問題47〕針刺し事故によって感染するのはどれか。
1. RSウイルス
2. B型肝炎ウイルス
3. ヘルペスウイルス
4. サイトメガロウイルス

 

〔問題48〕氷枕の作り方で適切なのはどれか。
1. 氷を隙間なく入れる。
2. 濡れたタオルで覆う。
3. 内部の空気は残しておく。
4. 水漏れがないことを確認する。

 

〔問題49〕一次救命処置時の成人への胸骨圧迫の深さで適切なのはどれか。
1. 2〜3cm
2. 5〜6cm
3. 8〜9cm
4. 11〜12cm

 

〔問題50〕災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。
1. 脱臼(dislocation)
2. 気道熱傷(burn of the respiratory tract)
3. 足関節捻挫(ankle sprains)
4. 過換気症候群(hyperventilation syndrome)

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こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、国家試験対策の学習を始める時期はいつからが良いのか?という疑問に対してお答えしていきたいと思います。

 

国家試験対策は冬からでも大丈夫なのか

 

時折、「国家試験対策は冬からでも大丈夫」という噂を耳にします。

 

実際の経験から言うと、冬からでも十分に頑張れば間に合う可能性はあります。

 

なので、今がどのような時期であろうと、あきらめずに頑張ることが大事、ということをまずはお伝えしたいです。

 

しかし、冬からの場合、十分に頑張らなければなりませんので、できる限り早めの対策をおすすめします。

 

では、十分に頑張るというのを、具体的に時間で換算しながら見ていきたいと思います。

 

国家試験対策の学習を1000時間することで合格圏内へ

 

私の経験則からすると、国家試験まで残り100日から、1日8-10時間勉強をすると、合格判定が「Db」から「Ba」くらいまでは成績を上げることができます(もちろん個人差あります)。

 

その勉強方法もがむしゃらではなく、計画的に効率良く学習をした場合です。

 

冬から頑張る=危機感が勉強をしようとする気持ちを後押しをするというメリットがあるものの、残り日数が少ない=焦りから学習が進まないというデメリットも同時にあります。

 

一人で勉強すると、焦りから知識が定着しない、効果的な学習ができない、結果的に不合格になるという方もいます。

 

そのため、余裕のある学習計画を立てて、国家試験対策を行ってほしいと思います。

 

勉強の合計時間:1000時間を計画的に振り分ける

 

ここで、先ほどの勉強の合計時間に着目してほしいと思います。

 

国家試験に合格するために1000時間程度の学習が必要ということです。

 

(これは効果的な学習により短縮できますし、非効率な学習ではさらに延長してしまうこともあります。)

 

勉強の合計時間:1000時間を計画的に振り分けてしまえば良いというのが自論です。

 

残り200日であれば1日5時間、300日であれば1日3時間程度の学習時間となります。

 

今までの勉強量により、1000時間の学習は必要無い場合もありますが、今までほとんど国家試験対策の勉強をしてこなかったという方は、「Ba」程度の合格圏内に到達するためには、1000時間程度は要すると思っていて下さい。

 

冬から焦って、勉強最優先の生活で、1000時間の学習をするよりも、余裕を持った計画で学習をすすめていくことをおすすめします。

 

早くから始めてもどうせ忘れるし、やる気が出ないという方は根本的に学習方法が間違っているかものしれません。

 

こちらの記事に学習方法についてもまとめていますので、よろしければどうぞ。

 

 

 

その他、オンライン個別指導も行っています。無料の体験授業も行っていますので、興味があれば、こちらの記事をどうぞ。

 

 

 

学習を始める時期のまとめ

 

学習を始めるおすすめの時期は、受験年度の春休み(残り300日)、遅くとも夏休み(残り200日)を推奨します。

 

現在の理解度にもよりますが、ほとんど勉強してこなかったという人は、安全な合格圏内に到達するためには、1000時間程度の学習時間は必要になります。

 

ただ、一番お伝えしたいことは、今がどんな時期でもあきらめないことが重要ということです。

 

あきらめたらそこで試合終了です。最後の最後まで頑張りましょう。

 

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こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、看護師国家試験対策におすすめの問題集・参考書を紹介します。

 

第1位 レビューブック

 

看護師国家試験を受験するにあたり、必須アイテムと言っても過言はありません。

 

必ず購入することをおすすめします。

 

2025年版が3/8に発売されました↓↓

 

 

過去10年分の問題分析し、出題された問題を中心に構成されているため、教科書とは違い知りたいことを的確にポイントだけを知ることができます。

 

また、図表やイラストなど、受験生の理解を助けるための工夫も充実しています。

 

その上、2位、3位と続くQB(クエスチョンバンク)シリーズと連携しており、補足して勉強してほしいページなどが記載されている点も非常に優しいです。

 

使い慣れるために、低学年の頃から(実習で調べものをする時などから)使うことをおすすめしています。

 

受験年度のレビューブックがいるのか?という質問もよくされますが、1-2年程度であれば、古いレビューブックでも問題無いと回答しています。

 

統計データなどに若干の誤差はありますが、1年程度古いデータでも基本的には問題ありません。

 

そういう誤差を気にするよりも、いち早く使い慣れることをおすすめします。

 

第2位 QB一般(クエスチョンバンク)

 

国家試験の過去問は色々な業者から出版されていますが、上記のレビューブックとの併用を考慮すると、QBシリーズをおすすめします。

 

解説の丁寧さは他の業者も遜色無いですが、勉強のしやすさを考えるとQB一択です。

 

もちろん、他の過去問集が見やすい、使いやすいというものがあれば、他の過去問集でも問題ありませんので、とりあえず一般問題の過去問集を一冊は購入しておくことをおすすめします。

 

第3位 QB必修

 

QBシリーズの必修バージョンです。

 

一般問題集に加え、必修問題集も購入しておくことをおすすめします。

 

おすすめする理由は、QB一般と同様で、使い勝手が良いためです。

 

勉強を何から始めるのか?という問いに対しては、QB必修問題集から始めることをおすすめしています。

 

第4位 必修問題まんてんGET!

 

ここからは少し優先度が下がりますが、できれば購入しておきたい一冊です。

 

必修問題は8割以上の得点が必要な問題であり、全ての基礎となる分野になります。

 

QB必修問題集は基本的に過去問中心に構成されているため、若干難易度的に不安があります。

 

やや難しく、細かく分析した必修問題集を購入しておき、必修問題は満点をとれるように深く勉強することをおすすめします。

 

必修問題まんてんGETは適度に難しく、ポイントを絞って解説を構成しているので、短期間で必修の得点を上げることができると思います。

 

第5位 必修問題ファイナルチェック360問

 

こちらも必修の問題集です。

 

特徴は、オリジナルの予想必修問題360問を掲載しており、多くの問題を解き進めるというスタイルに仕上げているというところです。

 

解説はそこまで深めず、必要最低限に絞っているので、タイトルのとおりファイナルチェック的な問題集になります。

 

解説がややうすいという点で、一つ順位を下げました。

 

第6位 必修ラスパ

 

こちらも必修問題集です。第4・5・6位から一冊選ぶと良いかと思います。

 

必修ラスパも人気書籍で、丁寧な解説に加え、オリジナルの予想問題を400問程度掲載した、コンパクトサイズながらボリュームのある問題集です。

 

必修に止まらず、一般問題につながるように解説されている点も良いです。

 

ただ裏を返すと、必修問題集としてはボリュームが多く、状況によっては合わない場合もあるかと思い、順位を少し下げました。

 

第7位 でた問70% 高正答率過去問題集

 

こちらは、必修・一般・状況設定問題全てを網羅した問題集です。

 

特徴としては、過去5年間の国家試験から70%以上の問題だけを集めて構成しているという点です。

 

基本的に国家試験は正答率70%以上の問題を落とさずに正解できれば、合格に近づくと言われていますので、そこに絞っているようです。

 

また、難易度も易しめなので、取り掛かりやすいのも良い点です。

 

ただ、解説がうすいので、最初に取り掛かると丸覚えしかできないリスクもあります。

 

使い方を間違えずに活用できれば、重要な問題を集めてくれている問題集なので、使ってみることをおすすめします。

 

第8位 これで完璧!看護国試必修完全攻略集

 

さわ研究所から出版されている必修問題集です。

 

今まで出題された必修問題をほぼ網羅し、それに伴う必要な知識を全て丁寧に解説してくれています。

 

統計データなども、主要な順位・年度だけでなく、細かく掲載してくれています。

 

ただ、その分、必修問題だけにも関わらず、かなりのボリュームになるため、少し気が引けるのが残念なポイントです。

 

必修問題の辞書的な立ち位置になるかと思います。

 

第9位 これで突破!社会保障&関係法規

 

社会保障・法律・公衆衛生に特化した問題集です。

 

社会保障関連の問題が苦手な受験生が多いということから、作られた問題集かと思います。

 

かなり細かく出題されているので、難しい問題も多いですが、余裕があれば一度解いてみても良いかと思います。

 

法律など細かい部分まで理解できるようになります。

 

第10位 看護師国家試験 国試過去問題集

 

国家試験の必修から社会保障まで、分野毎に過去問の出題傾向を分析しています。

 

ボリュームは多いですが、自分の現在の理解度を分野毎に整理することができますので、ある程度学習が進み、余裕が出た段階で知識を確認していくのに良い参考書です。

 

まとめ

 

【強く購入を推奨】

第1位 レビューブック

第2位 QB一般

第3位 QB必修

 

【購入を推奨(1-2冊)】

第4位 必修満点GET!

第5位 必修ファイナルチェック360問

第6位 必修ラスパ

 

【自分に合えば購入しても良い】

第7位 でた問70%

第8位 これで完璧!看護国試必修完全攻略集

第9位 これで突破!社会保障&関係法規

第10位 看護師国家試験 国試過去問題集

 

今まで使ってきて使いやすいもの、受講生が活用していたもの、使いやすいと感じていたものを絞って、順位付けしました。

 

ただ、使いやすい問題集は個々で違いますので、参考にしつつ、自分に合った問題集を購入することをおすすめします。

 

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こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、国家試験に頻出の薬をまとめていきます。

 

薬理学は範囲が広く難しいですが、よく出る問題は決まっているので、コツコツ覚えるよりも一気に覚えることをおすすめします。

 

一問一答形式で簡潔にまとめていますので、薬理学を学ぶ足掛かりにしてください。

 

Instagramの方にも、問題形式で載せています👇

https://www.instagram.com/p/Cpqvy2shvju/?utm_source=ig_web_copy_link

 

薬理総論

 

薬物の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法は?

 

A. 静脈内注射

 

逆に、比較的遅いのは経口投与です。

 

内服薬の初回通過効果が主に起こる部位は?

 

A. 肝臓

 

内服した薬剤が吸収された後に門脈を通り、肝臓で代謝されることをいいます。

 

薬物の有害事象

 

血中濃度を確認する必要性がある医薬品は?

 

A. ジゴキシン、テオフィリン、バルプロ酸ナトリウム、フェニトイン、炭酸リチウム、リドカイン塩酸塩

 

特にジゴキシンはジキタリス中毒を引き起こします。(強心薬の項目で解説)

 

薬物の相互作用=食べ合わせ危険の組み合わせ

 

ワルファリンカリウム

 

A. ビタミンKを多く含む食品(納豆・ほうれん草など)を避ける必要があります。

 

ワルファリンカリウムはビタミンKの作用を弱め、血液の凝固を妨げるため、ビタミンKを多くとってしまうと効果が弱ってしまう。

 

カルシウム拮抗薬

 

A. グレープフルーツ

 

グレープフルーツ中の成分であるフラボノイドが、カルシウム拮抗薬の肝臓での代謝を妨げるため、作用が残り、効果が強くなってしまう。

 

テトラサイクリン

 

A. 牛乳

 

牛乳のカルシウムがテトラサイクリン系薬と結合してしまい、吸収されなくなるため、効果が減弱してしまう。

 

抗菌薬と抗ウイルス薬と抗癌薬

 

菌・ウイルス・癌細胞など、対象によって使用する薬剤が異なります。

 

ウイルスに対して、抗菌薬は効かないので、対象に応じた薬剤の名前とその薬効を整理しながら覚えていくことが重要です。

 

全ての薬を片っ端から覚える必要はありませんので、主要な薬の名前を紹介していきますので、重要なものを確実に覚えていきましょう。

 

抗菌薬

 

A. ペニシリン、バンコマイシン

 

抗菌薬でよく出題されるのは上記の2つです。

 

特にバンコマイシンは、MRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)という抗菌薬に耐性を持つ菌にも効く薬なので、よく出題されます。

 

抗ウイルス薬

 

A. アシクロビル

 

アシクロビルはヘルペスウイルスに効果のある薬として有名です。

 

インフルエンザウイルスに罹った場合は、リレンザやタミフルなどの抗ウイルス薬を使用して治療します。

 

抗癌薬

 

A. シスプラチン

 

抗癌薬の副作用(骨髄抑制・脱毛・消化器症状)がよく出題されます。

 

シスプラチンは骨髄抑制を引き起こしにくい反面、白金を含むため、腎毒性を起こしやすい特徴もあります。

 

自律神経作用薬

 

自律神経系に作用する薬を自律神経作用薬といい、交感神経作用薬と副交感神経作用薬に分けられます。

 

交感神経作用薬には、交感神経作用を強めるアドレナリン作動薬作用を弱める抗アドレナリン薬があります。

 

一方、副交感神経作用薬には、副交感神経作用を強めるコリン作動薬作用を弱める抗コリン薬があります。

 

交感神経が優位になるのはアドレナリン作動薬抗コリン薬

副交感神経が優位になるのは抗アドレナリン薬コリン作動薬

 

アドレナリン作動薬

 

主な作用は、交感神経優位による、血管収縮、心収縮力増強、気管支拡張です。

 

β刺激薬は気管支拡張作用により、気管支喘息患者への吸入薬として用いられます

 

抗アドレナリン薬

 

主な作用は、副交感神経優位による、血管拡張、心収集力減少、気管支収縮です。

 

β遮断薬は気管支を優位に収縮させるため、気管支喘息の患者には禁忌です。

 

β刺激とβ遮断、どちらが気管支を拡張/収縮させるのか、確実に覚えましょう。

 

コリン作動薬

 

副交感神経を優位にすることで、眼圧の低下となるため、緑内障に適応されます。

 

一方、副交感神経が優位になることで、気管支収縮、腸管運動の促進につながるため、気管支喘息の患者や消化性潰瘍のある患者には禁忌になります。

 

抗コリン薬

 

副交感神経を抑制することで、気管支の拡張、腸管運動の抑制になるため、気管支喘息や消化性潰瘍の患者に適応となります。

 

一方、副交感神経を抑制することにより、眼圧が上昇するため、緑内障の患者には禁忌となります。

 

※抗コリン薬=アトロピン

 

副作用としては、排尿困難、顔面紅潮、口渇、めまい、便秘などがあります。

 

排尿困難になることから、前立腺肥大症の患者にも禁忌となります。

 

 

心臓(血圧・循環)に関係する薬剤

 

心臓に関係する薬剤として、強心薬・狭心症治療薬・降圧薬・利尿薬を覚えます。

 

強心薬(強心作用)

 

A. ジギタリス、アドレナリン

 

ジギタリスは蓄積しやすく、中毒を起こしやすいため。血中濃度のモニタリングが必要な薬剤です。(薬物有害事象)

 

ジギタリス中毒の症状は、消化器症状(悪心・嘔吐)、不整脈、視覚障害、神経症状(めまいなど)です。

 

狭心症治療薬

 

A. ニトログリセリン

 

冠動脈を拡張して、冠動脈の血流を増加させるため、狭心症発作時など冠血流が低下した場合に使用する薬である。

 

投与方法は舌下投与である。内服はしない。

 

降圧薬

 

A. カルシウム拮抗薬、β遮断薬、ACE阻害薬、利尿薬

 

降圧薬は血圧を下げる機序により、4つに分類される。

 

①カルシウム拮抗薬は、血管平滑筋細胞内へのカルシウムイオンの流入を抑制し、血管を拡張させ、血圧を低下させます。

 

②β遮断薬は、β受容体を遮断して心拍出量を低下させることで、血圧を低下させます。

 

③ACE阻害薬は、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の作用に関係し、アンジオテンシンⅡの作用を阻害することで、血圧を低下させます。

 

④利尿薬は、腎臓からのナトリウム・水の排泄を促進し、循環血液量を減少させることで、血圧を低下させます。

 

利尿薬

 

A. ループ利尿薬(フロセミド)

 

腎臓からのナトリウム・水の排泄を促進しますが、カリウムの排出も促進するため、低カリウム血症になるリスクがあります。

 

血圧を下げる目的以外に、浮腫などを改善する目的でも使用されます。

 

抗血栓薬

 

抗血栓薬は、細かく分類すると、抗凝固薬と抗血小板薬に分けられます。

 

抗凝固薬

 

A. ワルファリン

 

ワルファリンは、ビタミンK依存性凝固因子(Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ)の生成を阻害し、血液凝固を阻害します。

 

そのため、ワルファリンとビタミンKは食べ合わせが危険な組み合わせになります。

 

抗血小板薬

 

A. アスピリン

 

ワルファリンと違い、アスピリンは血小板凝集を阻害することで、抗血栓作用を示します。

 

また、アスピリンは、抗炎症作用をもち、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)のひとつです。

 

副腎皮質ステロイド薬

 

A. プレドニゾロン

 

副腎皮質ステロイド薬は、抗炎症・免疫抑制作用をもち、広く使用されているため、国家試験に頻出です。

 

副作用は、満月様顔貌、高血糖、易感染、骨粗鬆症、中心性肥満などがあります。

 

鎮痛薬

 

鎮痛薬は、麻薬性鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬などが分類されます。

 

麻薬性鎮痛薬

 

A. モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル

 

副作用としては、腸蠕動低下による便秘・悪心・嘔吐が有名です。その他、呼吸抑制、眠気などがあります。

 

非ステロイド性抗炎症薬

 

A. インドメタシン、アスピリン

 

副作用としては、消化性潰瘍が頻出。その他、腎障害や出血傾向(アスピリンの場合)などもあります。

 

精神疾患治療薬

 

抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬、抗てんかん薬、抗認知症薬などがあり、これらを総称して向精神薬と呼ぶ。

 

精神疾患治療薬は、種類が多く、色々と覚えると混乱しますので、優先度の高いものだけを覚え、知識を広げていきましょう。

 

抗精神病薬

 

A. 統合失調症や躁状態の治療に用いる

 

副作用として、ドパミン遮断作用による錐体外路症状が有名です。

 

錐体外路症状の主は、アカシジア、ジストニア、遅発性ジスキネジア、パーキンソン症候群などの症状が起こります。

 

抗うつ薬

 

A. うつ病(セロトニン神経やノルアドレナリン神経の機能を正常化する)

 

副作用には、セロトニン活性過剰による、セロトニン症候群がある。

 

セロトニン症候群には、不安・焦燥、発熱、ミオクローヌスがある。

 

気分安定薬

 

A. 双極性障害(気分の波を小さくする)

 

炭酸リチウムやバルプロ酸ナトリウムなどが代表的な薬剤。(血中濃度のモニタリングが必要な薬剤)

 

リチウム中毒では、発熱、悪心・嘔吐・下痢などの消化器症状、めまい、運動失調、構音障害などの中枢神経症状が起こる。

 

重症化すると、急性腎不全や意識障害、全身けいれんなどが起こる。

 

抗不安薬

 

ベンゾジアゼピン系の薬物は、抗不安作用の他、筋弛緩、催眠・鎮静作用がある。

 

副作用として、依存性、呼吸抑制、刺激興奮、眠気、血圧低下、ふらつきなどがある。

 

薬理学のまとめ

 

『薬』と一言で言っても、本当に多くの薬が世の中に出回っているため、全ての薬剤を覚える必要はありません。

 

(薬剤の詳しい知識は、薬剤師や医師にお任せましょう。)

 

ただ、少なくともここだけは覚えてほしいというような、メジャーな薬剤は覚える必要があります。

 

そして、その薬剤を患者さんに使用するからには、どのような薬効があるのか、どのような副作用があるのかを覚えておくことが重要です。

 

看護師として、どのような知識を身につけておくべきなのかも考えつつ、暗記を進めていくことで、効率良く・必要な知識だけを覚えていけると思います。

 

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こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、基礎看護分野で難解の分野、消毒と滅菌について、です。

 

滅菌と消毒の違い、滅菌と消毒により死滅する微生物の差などを解説していきます。

 

滅菌と消毒の違い

 

滅菌芽胞を含むすべての微生物を死滅させる処理方法のこと。

 

消毒:生存する微生物の数を減らすために用いられる処理方法のこと。

 

(※芽胞は、細菌内でつくられ、耐久性の高い物質であり、消毒薬に対する抵抗性が強い。)

 

滅菌は、その芽胞をも死滅させる強い方法であることをまずは覚えておいてください。

 

滅菌法の種類

 

種類が多く、全てを細かく覚えるのは難しいので、ポイントを絞って覚えることが大切になります。

 

国家試験に出題されたことのある、加熱滅菌法の2種ガス滅菌法の2種に絞って解説します。

 

加熱滅菌法①:高圧蒸気滅菌法【オートクレーブ】

 

安全、確実、短時間で滅菌ができ、コストも低いため、最も推奨されている滅菌法です。

 

基本的にはオートクレーブで全ての器材を滅菌したいところなのですが、熱や湿度に弱い器材は適用外になってしまいます。

 

適用器材は、金属、リネン類、ガラス製品、シリコン類など、耐熱・耐水性の器材になります。

 

加熱滅菌法②:乾熱滅菌法

 

加熱滅菌法になりますが、オートクレーブと比較すると、時間がかかるため、高温による変形などのリスクがあります。

 

適用器材は、オートクレーブとほぼ同じです。

 

一点メリットを挙げるとすると、水を使用しないため、耐水性のないものでも活用でき、錆びにくいということがあります。

 

ガス滅菌法①:エチレンオキサイドガス滅菌法【EOG滅菌器】

 

オートクレーブができないような熱や湿度に弱い器材を滅菌することが可能です。

 

ただ、有害ガスを用いること、コストが高いこと、滅菌に時間がかかることから、第一選択とはなりません。

 

また、すぐには使用できず、有害ガスを抜くためのエアレーション(空気の入れ替え)をする必要があることもデメリットです。

 

適用器材は、プラスチック製品、ゴム製品、紙、ラテックス製品、などの熱や湿度に弱い器材になります。

 

ガス滅菌法②:過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌法

 

EOG滅菌器と同様、熱や湿度に弱い器材を滅菌することが可能です。

 

②と違う点は、短時間で滅菌ででき、有害ガスも用いないので、すぐに使用できることですが、コストが高いのが難点です。

 

また、滅菌の過程で減圧するので、減圧に耐えられないものも適応外です。

 

適用器材は、②と同様の器材に加え、光学機器、電子機器なども可能です。

 

 

その他:煮沸消毒法

 

消毒法になりますが、煮沸消毒法というものもあります。

 

オートクレープなどの滅菌法では、変質するおそれのあるものに用いられる消毒法です。

 

適用器材は、ガラス製品や金属、ゴム製品などです。

 

消毒薬

 

消毒薬は強い順に並べて解説します。

 

①グルタラール、次亜塩素酸ナトリウム

 

芽胞を含む、すべての微生物を消毒することができます。

 

グルタラールは、人体に強い有害作用があります。

 

次亜塩素酸ナトリウムは、金属に腐食性あります。

 

②ポピドンヨード、エタノール

 

芽胞以外の細菌、ウイルスを消毒することができます。

 

※エタノールはノロウイルスには無効であるため、ノロウイルスに対しての消毒は次亜塩素酸ナトリウムを用います。

 

③オスバン、ヒビテン

 

一般細菌に対してのみ効果を発揮する低水準の消毒薬です。

 

粘膜や創傷の消毒にも用いることが可能です。

 

滅菌法と消毒法の問題

 

第106回国家試験 午前21

 

オートクレーブによる滅菌法はどれか

 

1.乾熱滅菌

2.プラズマ滅菌

3.高圧蒸気滅菌

4.酸化エチレンガス滅菌

 

解答:3

 

まとめ

 

滅菌法は、オートクレープ=高圧蒸気滅菌が最も用いられている。

 

EOG滅菌などのガス滅菌は、オートクレーブの適応外となる、耐熱・耐水性のないものを滅菌する。

 

消毒薬は芽胞まで適応となるか、芽胞は適応外か、粘膜まで使用できるものか、強度の差を重点的に覚える。

 

 

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