こんにちは、講師のサキです。
今回は、細胞膜の構造と機能 〜リン脂質二重構造とチャネル・ポンプの機能〜について解説します。
細胞膜の構造は分かりづらいですが、細胞の内と外を隔てる重要な役割を担うため、物質がどのように輸送されていくのか理解しておくことが大事になります。
では、一つずつ解説していきます。
細胞膜の構造
細胞膜はリン脂質二重構造となっており、細胞の内と外を隔てる生体膜となります。
(リン脂質二重構造とは、親水性の頭部を細胞の中と外に分け、疎水性の尾部を突き合わせたように並んでいる構造になります。)
特徴は、脂質などの脂溶性の物質は膜を通過できるが、水などの水溶性の物質は膜を通過できないということです。
そのため、細胞膜にはところどころに膜たんぱく質が埋まっており、通過できない水溶性の物質の輸送を行います。
物質の輸送を行うチャネルやポンプは膜たんぱく質の中にあります。
【ポイント】
①細胞膜はリン脂質二重構造となっており、水溶性の物質は通過できない。
②水溶性の物質を通すため、膜たんぱく質の中にチャネルやポンプがある。
受動輸送はチャネル、能動輸送はポンプ
細胞の内外を細胞膜は隔てていますが、細胞膜の内外は常に物質のやりとりをしています。
物質の輸送は、受動輸送と能動輸送の2種類に分けられます。
受動輸送
受動輸送は、エネルギーを使わずに物質が移動する仕組みで、チャネルなどが該当します。
物質が濃度の高い方から低い方へ移動(拡散)するため、エネルギーは必要としません。
脂溶性の物質はそのまま膜を通過し、水溶性の物質は膜たんぱく質にあるチャネルを通過します。
受動輸送は、濃度勾配を利用し、拡散によって物質が移動します。
能動輸送
能動輸送は、エネルギーを使って、物質を移動させる仕組みで、ポンプが該当します。
受動輸送は濃度勾配に従って物質輸送が行われていましたが、能動輸送は濃度勾配に逆らって物質を移動させるので、エネルギーが必要となります。
覚えておきたいのは、ナトリウム-カリウムポンプです。
濃度に関係なく、エネルギー(ATP1分子)で、Na+3分子を細胞内から細胞外へ、K+2分子を細胞外から細胞内へ移動させます。
そのため、細胞外はNa+の濃度が高く、細胞内はK+の濃度が高くなっています。
細胞膜にはホルモン受容体もある
ホルモンの受容体が細胞膜上にあるのか、細胞質内にあるのか、という問いもよく出題されますので、詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
ホルモン受容体は、細胞膜にある膜たんぱく質に存在します。
なぜ脂溶性ホルモンの受容体は細胞質内にあり、水溶性ホルモンの受容体は細胞膜上にあるのかも、細胞膜の構造を理解できれば、覚えやすいかと思います。
まとめ
細胞膜は、リン脂質二重構造となっており、細胞内と外を隔てている。
細胞膜は脂溶性の物質は通過できるが、水溶性の物質は通過できない。
水溶性の物質は、細胞膜に埋まっている膜たんぱく質の中のチャネルやポンプで、物質の輸送が行われる。
チャネルは濃度勾配による物質移動で、受動輸送である。
ポンプは濃度勾配に逆らっての物質移動で、エネルギーを使った能動輸送である。
細胞膜の構造と機能は難しいですが、覚えると解剖生理全般の理解につながると思いますので、しっかりと理解することをおすすめします。