こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、看護師国家試験の対策の始め方を、看護学生の視点を踏まえ、解説します。

 

受験年度を迎えると、『そろそろ国家試験対策をしないといけないな』と心の中では思っている人がほとんどかと思います。

 

勉強の方法を聞いたり、調べたりすると『過去問解いといたら大丈夫』という結果が返ってきます。

 

じゃあ、過去問を解いてみようと思ってみたものの、どの過去問集が良いのか分からない、過去問が難しくて解けない、解いてもすぐ忘れる、と悪い循環に陥ってしまいます。

 

なかなか進まないので、見て見ぬフリして日々を過ごしてしまい、冬になって焦る。

 

この一連の流れが、学生によく生じる負のスパイラルです。

 

勉強に遅れが生じている人は、負のスパイラルのどこかでくじけている状態です。

 

負のスパイラルは強力で何重にも攻撃を重ねてきますが、一歩抜け出すことさえできれば、勉強を効果的に進めることができるようになります。

 

あくまで個人的な見解ですが、指導してきた生徒は同じような経過を辿って、合格に至っています。

 

前置きが長くなりましたが、その負のスパイラルに立ち向かうための勉強方法を順番に説明していきます。

 

①過去問・参考書を購入する

 

受験年度までに、色々な参考書や教科書を購入してきたかと思います。

 

しかし、その参考書や教科書で国家試験対策の勉強をするのはおすすめしません。

 

看護の教科書を否定する訳ではありませんが、教科書はあくまで看護師として必要な知識を記述しているものであり、国家試験対策に焦点を当てている訳ではありません。

 

一方、看護師国家試験対策として作成された書籍は、国家試験の傾向などを分析したものであり、合格まで最短距離で進むことを手助けしてくれるものです。

 

国家試験対策用の過去問や教科書もそこそこの費用がかかりますが、国家試験合格のための前投資だと思い、購入することを強くおすすめします。

 

また、先輩から譲り受けるなどの方法もありますが、自分でお金をかけて購入することで、勉強しなければならないという気持ちにもつながると思いますので、金銭面に問題が無ければ、自分のお金で購入することをおすすめします。

 

国試対策の書籍で購入を推奨しているのは、①レビューブック、②過去問(一般)、③過去問(必修)の3点セットです。

 

おすすめする理由などは、上記の記事にまとめていますので、よろしければ参考にしてください。

 

①のポイント:まずは国家試験対策の書籍を揃える

 

②過去問集を解いてみる

 

①のステップはクリアした(している)人は、過去問集を開き、解いてみてください。

 

開いた過去問集にもよりますが、1問目から既に難しい問題かと思います。

 

続く2問目、3問目も難しいです。

 

10問くらい解いたら、あきらめそうになるかもしれません。

 

それくらい、最初は難しいです。

 

ただ、覚えていてほしいのは、過去問集をいきなり理解して解ける人はいません。

 

少し差があるとすると、全く分からないと感じる人もいれば、授業で聞いたことがあると感じる人、なんとなく分かると感じる人もいるという差程度です。

 

大きな差にも思うかもしれませんが、客観的にみると、その差は極わずかです。

 

全く分からないと思った人が、解説を読んで、問題の意味を理解した段階で、なんとなく分かると感じた人よりも、レベルアップしています。

 

自分は劣等生だと思っている人でも、国家試験という新たな土俵に立った場合、その差はほとんど無く、先に勉強を始めさえしたら、優等生に早変わりできます。

 

それなのに、成績不振の学生ほど、問題が分からなかった時点で、「やっぱり自分には分からない」とすぐにあきらめてしまう傾向にあります。

 

これは非常に残念なことだといつも感じています。

 

問題が分からないのは国家試験が難しいからであり、全員が分からない問題なので、分からない問題は解答・解説をささっと読んで、次々と問題を解いてみることが、勉強を始めた段階では特に重要になります。

 

②のポイント:問題をとりあえず解いてみる

 

③復習をする

 

問題を解いてみて、解説を読んでみると、とりあえず問題の意味が分かり、何が答えなのかが分かるようになると思います。

 

難しい問題も時々ありますが、基本的には解説を読んだ時点では、答えを覚えています。

 

しかし、多くの人が持っている悪い癖は、解きっぱなしにすることです。

 

解きっぱなしにしてしまうと、せっかく解説を読んで覚えた答えを、すっかりと忘れ去ることができます。

 

解説を読むに留まらず、レビューブックなどを使って時間をかけて調べる、youtubeなどの解説動画を見る、など情報収集をしたとしても、解きっぱなし・調べっぱなし・聞きっぱなしにしてしまうと、しっかり忘れることができます。

 

これは人間の脳の構造上、仕方の無いことです。

 

この当然の事実をマイナスに捉え、『自分は記憶力が悪い』と決めつけてしまう人も多くいます。

 

解きっぱなしで覚えられる人を、『秀才』(もしくは『天才』)と呼びます。

 

普通、人は努力することで記憶できますので、解いたことや新しい知識は必ず復習をしましょう。

 

解説動画などを見ただけ、聞いただけの状態では、後で思い出すことは不可能だと心に深く刻んでおいてください。

 

③のポイント:復習をする

 

④計画的に学習する

 

①〜③の内容を踏まえ、計画的に学習することが重要です。

 

①の例:購入した過去問集の問題数は何問あるのか、国家試験までの日数から逆算して1日に何問解けば良いのか、などを計画します。

 

②の例:とりあえず解きつつ、簡単な問題や難しい問題を振り分ける、など③につながるように学習する。

 

③の場合:②と連動しつつ、復習するタイミングを計画する(特に難しい)。

 

復習するタイミングは、エビングハウスの忘却曲線に基づいて計画を立てることをおすすめします。

 

 

こちらの記事にエビングハウスの考え方を記載しています。

 

勉強の仕方に個人差ありますので、学習計画は自分の勉強スタイルに合わせて立てることが重要です。

 

ただ、自分はゆっくりじゃないと理解できないと思っている方も、まずは『ある程度』学習で勉強する内容の全体像を把握して、前に進んでみることをおすすめします。

 

こちらの記事には『ある程度学習』のポイントなどを記載しています。

 

 

④のポイント:計画的に学習する

 

まとめ

 

①のポイント:まずは国家試験対策の書籍を揃える

②のポイント:問題をとりあえず解いてみる

③のポイント:復習をする

④のポイント:計画的に学習する

 

①を達成した後、②⇆③を④計画的に行うという図式になります。

 

当たり前の図式ですが、それさえ実行できれば、必ず合格できます。

 

やる気になって、過去問を解いてみると、難しい上、膨大な勉強量に立ち止まりそうになりますが、その気持ちはほとんどの人が感じています。

 

自分だけが分かっていないと立ち止まってしまうのではなく、『全員分からないのだから、とりあえず進んでいこう』と割り切って進むことが、合格への近道になると思います。

 

解く→覚える→復習する 

 

これを繰り返すことで、知識は必ず定着し、点数は安定します。

 

『単純ですがそれが難しい・・』毎年受験生を見る度に痛感しています。

 

直接勉強の方法などを質問したいという方は、オンライン指導も行っていますので、こちらの記事を参照ください。

 

 

 

 

 

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