こんにちは、講師のサキです。

 

今回は、採血ミスによる溶血で上昇する物質、何故カリウムが上昇するのか?という問いに答えていきます。

 

採血がうまくいかず溶血してしまうと、カリウムが上昇するというのは、看護師になると自然と覚えてしまっています。

 

しかし、何故上昇するのか?というと答えられないという方もいます。

 

忘れない知識とするために、根拠も必ず一緒に覚えるようにしましょう。

 

溶血とは?

 

溶血とは、簡単に説明すると、赤血球が崩壊し、溶けてしまうような状態です。

 

(溶血性貧血は、なんらかの理由で赤血球が過剰に破壊されてしまい、貧血に陥ってしまう病態です。)

 

採血時に起こる溶血の原因は、採血に用いる針が細すぎた場合や採血時に陰圧をかけすぎる場合などが多いです。

 

国試には、採血時に用いる注射針のG数は?という問題も出題されますので、必ず覚えておいてください。

 

答えは22G(20-22G)です。

 

では、なぜ溶血するとカリウムの値が上昇するのでしょうか?

 

溶血によりカリウムが上昇する原因

 

溶血とは、赤血球が崩壊することでしたね。

 

つまり、赤血球の中にある細胞内液が血漿中に漏れ出てきてしまうことになります。

 

細胞内液と血漿中の電解質の差を思い出してみてください。

 

血漿中には、K:4.0mEq/L程度とわずかな量しかありませんが、細胞内液中には、K:150mEq/Lもあります。

 

採血時に赤血球が崩壊し、血球内の細胞内液が血漿中に漏れ出てきてしまうと、カリウムの値が上昇してしまうということが分かるかと思います。

 

逆に、Naを考えてみると、血漿中にはNa:140mEq/Lありますが、細胞内液にはNa:10mEq/L程度しかありません。

 

採血時に溶血しても上昇することはありません。

 

この細胞内外の電解質濃度の差が国家試験で問われています。

 

溶血に関する過去問

 

第111回午後79問目

採血時に操作を誤ったため溶血し、採血管内の血漿が暗赤色になってしまった。この血漿の電解質濃度を測定したときに、本来の値よりも高くなるのはどれか。

 

1.塩化物イオン

2.重炭酸イオン

3.カリウムイオン

4.カルシウムイオン

5.ナトリウムイオン

 

答え: 3 カリウムイオン

 

塩化物イオン、重炭酸イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオンはそれぞれ細胞内液よりも血漿中に多く含まれているため、上昇することはありません。

 

まとめ

 

溶血とは、赤血球がなんらかの原因で崩壊し、赤血球中の細胞内物質が血漿に漏れ出てくることである。

 

溶血した血液の電解質濃度を測定した場合、細胞内液に多く含まれる電解質:カリウムの値が上昇して測定される。

 

細胞内液よりも血漿に多く含まれる電解質(ナトリウムなど)は上昇しない。

 

「溶血したらカリウムが高くなる」とだけ覚えるのではなく、なぜ・どうしても合わせて覚えることをぜひ心がけてください。

 

 

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