こんにちは、講師のサキです。

 

この記事では、ある程度学習の進め方:どこまで深掘りすればよいのか、具体例を用いてご紹介します。

 

ある程度学習についてはこちらの記事をご参照ください。

 

 

 

ある程度学習の具体例:第111回午後18を活用

 

(第111回午後18)左心不全left heart failureでみられる症状はどれか。

 

1. 肝腫大

2. 下腿浮腫

3. 起坐呼吸

4. 頸静脈怒張

 

解答は3です。

 

基本的な問題ですが、勉強を始めたばかりの頃というのは、心不全という言葉であきらめそうになってしまいます。

 

あきらめずに、どの程度まで深めながら学習をすればよいのかを見ていきます。

 

重要なことは、点で終わらず、線で結び、根拠などで線を太くするということが重要です。

 

点で終わってしまう深め方

 

左心不全left heart failureでみられる症状はどれか。

 

1. 肝腫大

2. 下腿浮腫

3. 起坐呼吸

4. 頸静脈怒張

 

〔頭の中〕

 

左心不全だから・・2?(解答を読む)あ、違う、、3の起座呼吸になるんか。覚えておこう。じゃ、次の問題へ。

 

左心不全は起座呼吸になることだけ覚えても知識は広がらず、すぐに忘れてしまうので、点で終わると一向に知識は増えません。

 

線で結ぶ深め方

 

左心不全だから・・2? あ、違う・・3になるんか。

 

(解説を読む、調べる)左心不全は呼吸困難や泡沫状痰があるんか。

 

(ついでに調べる)右心不全は肝腫大・下腿浮腫・経静脈怒張があるんか。

 

点で終わるのと違い、左心不全の症状を起座呼吸以外にも何があるか調べ、関連の深い右心不全の症状を調べられています。

 

線で結ぶことで、次に右心不全の症状を問う問題が出ても答えることができます。

 

ただ、根拠を調べていないので忘れやすいです。

 

線を太く結ぶ深め方

 

(もう少し深く調べる)左心不全は肺循環のうっ血になるから、呼吸不全や泡沫状痰になるんか。右心不全は体循環のうっ血になるから、全身の浮腫になるんか。

 

左心不全と右心不全は何故そのような症状が起こるのか、機序などの根拠を調べることで、忘れにくい知識となります。

 

このあたりまで学習を進めるとより知識が定着しやすくなります。

 

解答の根拠くらいまでを調べることがひとつの目安かと思います。

 

ある程度を超えてしまう勉強

 

調べた後にすぐ完璧に覚えようとする

 

調べるまでにしておいてください。覚えようとすると時間がかかります。

 

1回の勉強で覚えるのは不可能なので、復習するタイミングで徐々に覚えていくようにすることを推奨します。

 

また、調べたことをノートに詳しく書くというのも時間がかかるので、できれば付箋メモのような形で問題の近くに貼っておき、復習の時に確認して覚えやすくするようにする方が短時間で復習が可能になります。

 

脱線しない

 

調べ出すと脱線してしまう人もいます。

 

浮腫って何だっけ?浮腫の機序も調べてみよう・・

 

浮腫の原因は4種類あるんか・・、心不全は静水圧が原因、膠質浸透圧が原因になるのもあるのか・・、膠質浸透圧って何だろう?肝不全が原因・・、血管透過性が亢進する・・

 

脱線に脱線を重ねると、第111回午後18の心不全の問題だけで簡単に1時間勉強できます。

 

時間効率の面から、最初から脱線するのはおすすめできません。

 

脱線することで、知識が系統的に網羅されていくことになるのですが、最初は絶対に避けてほしいと思っています。

 

浮腫の種類を問うような問題も必ずどこかで出題されます。

 

心不全の浮腫は静水圧の上昇が原因、浮腫の原因は4種類あるんだな、など心不全をメインに調べる程度に留め、妥協して進むことも大事です。

 

気になって進めないなら、気が済む調べる

 

時間配分の関係で、ある程度学習を推奨しています。

 

しかし、根拠などが気になりもっと調べたいという気持ちは、大変素晴らしいことです。

 

根拠を調べることで知識の定着が確実に進みますので、どうしても調べたいということであれば、気が済むまで調べてください。

 

ただ、毎回毎回は調べるのは控えるようにして下さい。

 

まとめ

 

最初に記述した、点で終わらず、線で結び、根拠などで線を太くするという勉強法が今回のポイントになります。

 

知識を系統立てることは重要ですが、始めから調べ過ぎず、ある程度に留めつつ、学習を進めていくことを心がけてみてください。

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